システム導入を成功に導く「業務設計」のススメ:(5)業務フローに基づくシステム設計範囲とITツールの仮確定

システム導入を成功に導く「業務設計」のススメ:(5)業務フローに基づくシステム設計範囲とITツールの仮確定

今回はシステム導入を成功に導く「業務設計」のススメと題し、全5回に分けてシステム導入を成功に導くフライク流の方法と、導入後システムを継続させる秘訣について解説します。

【業務設計プロジェクトの全体像】

  1. ビジネスモデルの理解
  2. 組織構造と各部署における役割把握
  3. 顧客潜在課題の推測
  4. 業務フローの整理と課題の深掘りと検証
  5. 業務フローに基づくシステム設計範囲とITツールの仮確定

最後となる第5回目は業務フローに基づくシステム設計範囲とITツールの仮確定です。

前章(4回目)では、ハウスメーカーA社における業務フローの整理と現状の課題を見つけていきました。

次のステップとしては見つけた課題に対し、理想的な業務フローとそれらを支援するITツールはどんなツールか?ということを決定していくことになります。

また業務設計プロジェクト総集編ということで、「IT導入コンサルティングをしている株式会社フライクからの提案」というストーリーでご説明していきます。

  • 「新たなITシステムを導入したいけど迷っている」
  • 「すでにシステムを導入してみたけど何だかうまくいかない」
  • 「高い費用を払ったのに、このままだとシステム導入失敗しそう」

そんな方は、ぜひ最後まで読み進めて、システム導入がもたらす「変革の可能性」に触れてみてください。

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IT導入コンサルティング企業へ依頼した場合のステップ

前回までのストーリーはこちら

前回までのストーリーで、ハウスメーカーAの営業部員の伊藤さんと株式会社フライクは、業務フロー図を完成させました。次は業務改善や自社の業務に沿った適切なITツールを選定することになります。

フライクはこのようなまとめをしてくれました。

<現在発生している課題>
社内の情報共有や情報を集約するために使っているツールではありますが、それぞれのツールが単独・独立して機能をしているため、下記の課題が発生しています。

  • タイミング:展示場への集客

○追客は個々人に任せているので同一顧客に架電しないように声がけを実施
○アンケートのデジタル化・スキャンをする際に人の手を介している
○同一顧客が複数展示場へ来場した場合の情報共有

  • タイミング:追客・個別相談会・案件対応

○社内の日報や報告資料と顧客情報が紐づいておらず、情報を最も知っているのは担当営業となり属人化が発生
○電話および商談対応状況が担当営業に属人化してしまっている
○社内ディスカッションシートや提案資料が社内ネットワーク限定のサーバーに格納されているため外出先から閲覧することができない

また、これらを踏まえたフライクの提案は、次のようなものになっています。

<ITツールを活かした最適な業務フローを作るメソッド>

  • 一部の領域だけの業務フローの洗い出しではなく、マーケ、セールス、サービス、バックオフィスまですべてにおける概要レベルの業務フローを整理する。
  • 顕在化している課題だけではなく、潜在化している課題や将来発生するであろう課題もあぶり出す。そのために業務フロー図を用いて自部署・他部署とのディスカッションを繰り返す。
  • ボトルネックとなっている課題や課題が発生している根本理由に着眼する。その課題を解決した理想的な状況では、どのようにビジネスにインパクトを与えるか?を考える。
  • 現在自社で策定している戦略のままでいいのか、追加もしくは修正をしてIT戦略を練り直すかを、経営陣や役職者を交えてディスカッションをする。

前章までのおさらいとなりますが、

①現状の業務フローを整理する
②課題をあぶり出す
③課題解決をするためのITツールを仮置きする
④理想的な業務フロー×ITツールの利活用イメージを沸かせる
⑤IT戦略の策定
という流れになります。

伊藤さんは、これらの課題解決は一筋縄ではいかないなと思ったものの、フライク社のメソッドには納得ができました。

そして、一つ一つ着実に前に進めるために、自社(ハウスメーカーA社)の戦略を共有しました。

<ハウスメーカA社の戦略>

  • ハウスメーカーとして、顧客・社員・パートナーに選ばれ続ける会社を目指す。そして、子や孫の世代にも引き継がれる「価値ある家づくり」と「永続的な企業」を実現する。
  • 社内業務の効率化を図り、利益率を向上させ、10年後に社員の給与水準を現状の1.5倍に引き上げる。
  • 社員数は微増に抑えつつ、売上を着実に拡大し、持続可能な成長を目指す。

そして、何度かフライク社とディスカッションを重ねたのちに、このような提案骨子が届きました。

ハウスメーカーA社の戦略を実現するシステム戦略

伊藤さんは、新人の高橋さんのためにやり始めた業務フローの整理がここまで大掛かりになるとは思ってもいませんでしたが、フライク社からもらった提案書は自社のことをしっかりと考えられていて、驚きを隠せませんでした。

長い道のりではありますが、やみくもにITツールやシステムを導入するのではなく、この方法だったら自社に最適なITツールも選定できそうと感じています。

自身の業務や部門間での連携不足でこぼれ落ちる情報が一元化されることで、自分自身はもちろん、新人の高橋さんはじめ、今いる社員やこれから入社してくる新人、そして最終的にはお客様のニーズにも合わせられるだろうとワクワクしながら聞いていました。

それからというもの伊藤さんとハウスメーカーA社の経営陣が何度も何度も議論を重ね、晴れて第一ステップの業務設計プロジェクトを実施することができるようになりました。

それから半年後、業務設計プロジェクトが完了しました。社内×フライク社と幾度とディスカッションした資料をまとめた資料の一部がこちら。

まとめ

単独のITツール導入では、「どのような業務の流れで活用するのか、そして何が改善されるのか」「どの情報がどう反映され、業務がどれだけ楽になるのか」が具体的にイメージしづらいものです。

しかし、この業務設計プロジェクトを通じて、自社の業務フローがどのように改善され、またその改善結果として「何がプラスアルファできるようになるのか」をしっかり把握することができます。

とはいえ、この段階で終わってしまっては「机上の空論」に過ぎません。これを実際のシステムに落とし込むために、次のステップである「システム設計プロジェクト」を実施します。このフェーズでは、

  • どのような画面で業務を行うのか
  • どの情報をどのように一元化するのか

といった具体的な内容を深く検討します。

目的は、「全体最適化されたITツールの導入によるビジネスの加速」です。

業務設計プロジェクトからシステム設計プロジェクトまでのプロセスは半年から1年を要することが一般的ですが、このプロセスを踏むことで得られる意義は非常に大きいものです。

本コンテンツを通じて、その重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。

少しでも、私たちフライクのIT導入コンサルティングにご興味をお持ちいただけたなら幸いです。

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