Salesforce×freee連携で作る経理・バックオフィスDX

Salesforce×freee連携で作る経理・バックオフィスDX

日々の経理業務は、請求書発行や仕訳処理、消し込み業務といった「作業」に追われがちです。

あなたの会社でも、こんな業務に時間を奪われていませんか?

  • 営業から依頼される請求書発行に毎回チェックが必要
  • 請求書送付がアナログで、印刷・封入・切手貼りに手間がかかる
  • 売上に関する仕訳がすべて手入力
  • 銀行に訪問して行う消込業務
  • エクセルで入金予定一覧を作成し、通帳をにらめっこして消込を実施
  • 未入金・過入金の状況を営業部門に共有する手間

こうした作業に多くの時間を費やしていては、生産性は上がりません!

そこで今回は、経理業務の本来の役割を明確にした上で、Salesforce x freee連携がもたらす課題解決と業務効率化を具体的に解説します。


経営者の方だけではなく、経理、情報システムの責任者の方にとっても参考になるヒントをまとめていますので、ぜひお読みください。

目次

経理業務の真の役割と業務効率化の必要性

本来、経理は「経営管理」が仕事です。

会計帳簿を整えるのは準備体操に過ぎず、本番は利益を確保し再投資につなげるための情報を整え、キャッシュフローを安定させることにあります。いわば、経理は会社の未来を守る「利益率の番人」です。

つまり、経理業務の真の役割は、「経営管理の中核」を担い、会社全体の成長を支えることにあります。

しかし、属人化や二重管理などの非効率な運用が、その本来の役割を阻んでいるのが現状です。

ここでは、経理業務の真の価値を見直し、「利益を残す仕事」へ進化させるヒントをお伝えします。

経理業務は「請求書処理」や「仕訳作業」だけではない 経営管理の中核としての経理の役割

1. こんな業務に日々の時間に忙殺されていませんか?

請求書発行業務
・ 営業から依頼される請求書発行のたびに、細かいチェックを何度も繰り返している
・ 請求書の送付はアナログのまま。印刷や封入、切手貼りに思わぬ手間と時間を費やしている

売上に関する仕訳業務
・ 売上に関する仕訳はすべて手入力。ミスが許されないプレッシャーに神経をすり減らしている

入金・消込に関する業務
・ 消込業務のためにわざわざ銀行を訪問。移動時間も含め、半日がかりになることもある ・ 入金予定一覧はエクセルで作成し、通帳とにらめっこしながら一件ずつ確認して消込を進める
・ 営業部門への未入金・過入金の状況共有でも、資料づくりや説明に何度も手間がかかる

報告に関する業務
・ 月イチの報告資料を作るために、各部署の数字をかき集め、資料作成に1〜2営業日を費やしている

こうした業務は確かに必要です。

しかし、これらに多くの時間と労力を奪われていては、「経営管理のために必要な情報を整え、利益を残す仕事をする」という本来の経理の役割に、なかなか時間を割けません。

結果として、「月次決算」「キャッシュフローの見える化」「投資に必要な判断の提示」などが後手後手になってしまい、経理が果たすべき重要な業務が後回しになっている企業も多いのではないでしょうか。

2.目指すスタイルはデータドリブン経営を支える「リアルタイムデータ基盤」

経理業務は本来、「会社の血流」であるお金の流れを正しく捉え、未来に向けた意思決定を支えるための基盤です。

もし日々の業務が、すべてのデータを自動的に連携し、正確かつリアルタイムで一元管理できていたらどうでしょうか。

  • 請求書発行

営業部門で入力された商談や契約情報が自動的に反映され、請求書はすぐに作成されます。
☛ 手作業での確認ややり取りが不要になり、営業と経理のやり取りも最小限で済むでしょう。

  • 売上に関する仕訳業務

売上データは自動的に仕訳化され、手入力や確認工数が大幅に削減されます。
☛ これにより、常に正確なデータが蓄積されていきます。

  • 入金・消込に関する業務

銀行口座の入金情報は自動で取得され、消込業務も一瞬で完了します。
☛ 営業部門への入金状況の共有もリアルタイムで行われ、資料づくりや確認の手間はなくなります。

  • 報告に関する業務

各部門の数字をかき集める必要はなく、すべての数字が常に最新の状態で一元管理されます。
☛ いつでも必要な経営指標を瞬時に可視化でき、意思決定を支えるデータとして活用できます。

こうした仕組みがあれば、経理業務の多くは「作業」から解放され、「戦略を考える」時間を確保できるようになります

これこそが、フライクが目指す「経理DX」の姿であり、私たちは次のような世界を描いています。

「会計帳簿を作る業務の8割はシステムとAIで自動化」

残りの2割に人の確認や判断が必要ですが、近い将来、すべての会計業務が自動化される時代がやってくるでしょう。
これにより、経理担当者は作業の負担を大幅に減らし、経営にとって本当に重要なテーマに集中できるようになります。

「データを活かした「攻める経理」への進化」

経理はこれまで「バックオフィス」や「間接業務」として、会社を支える裏方の存在と見られてきました。しかし、データと仕組みを整えれば、経理は単なる記録係ではなく、「攻める経理」へと進化できます。

営業やマーケティング部門と肩を並べ、「どこに投資すべきか」「将来の需要はどこにあるか」を議論する戦略会議に参加し、会社の成長戦略の最前線で役割を果たせます。

「経営管理のエキスパートとしての信頼」

経理DXが進むと、経理は「利益をどう残すか」という経営判断にデータで貢献できるようになります。 そして、「経営管理のエキスパート」として、経営陣から信頼され、頼られる存在へと進化できます。

こうした経理の姿は、少し遠い未来のように感じられるかもしれません。

しかし、デジタル基盤をしっかり整え、システムやAIを最大限に活用すれば、経理は単なる作業者ではなく、「攻める経理」として経営の意思決定をリードする役割を果たせます。

リアルタイムデータ基盤を手に入れることで、経理は単なる記録係ではなく、利益を残し、会社の未来を守る「経営管理の中核」へと進化していけるのです。

経理の課題に長期目線で取り組むべき本当の理由

1. 現代の経理・バックオフィスが直面する課題

経理・バックオフィスの現場では、日々の業務における「属人化」「二重管理」「手作業の多さ」という根深い課題が存在しています。

属人化の問題
・ 業務が特定の担当者に依存し、担当者がいないと仕事が止まってしまう。 そのため経理業務がブラックボックス化し、引き継ぎや人材育成が難航する。

二重管理の問題
・ 営業部門と経理部門が、それぞれ別のファイルや台帳を管理し、同じ情報を何度も入力・確認している。その結果、転記ミスや数字の食い違いが発生し、正確な数字をもとにした経営判断が難しくなってしまう。

手作業の多さ
・ 入力や仕訳、資料作成などの業務がいまだに手作業中心。
確認に時間がかかり、数字が経営管理に活かされるまでにタイムラグが生まれる。

こうした課題は「経理は経営管理の中核」という本来の役割を果たすうえで、大きな足かせになります。

数字はそろっているのに、その情報の鮮度や正確性に不安が残り、意思決定のスピードが落ちて、経営の先手を打てない状況を招いてしまうのです。

2. 解決できない課題ではなく、触れたくない課題では?

しかし、これらの課題は本当に「解決できない」ものなのでしょうか。

「仕方がない」と思い込みながらも、実は「誰かのせいにして課題を先延ばしにしているだけ」ではないでしょうか。

  • 長く会社を支えてきてくれた経理の方々がいるから、作業を奪うのは忍びない。
  • アナログな年配の方々がいるから、最新のITや技術を使った効率化は難しい。

こうした気持ちは、とても自然なものです。

けれども、そのままの空気感に甘んじて、課題解決を後回しにしてはいないでしょうか。

確かに、これまで会社を支えてくれた方々がいるのは紛れもない事実です。

しかし、その方々が10年後、20年後も支えてくれる保証はあるでしょうか。

本当に会社にとって最適な判断は何なのか――。

いま改めて立ち止まり、問い直すことが、まさに求められています。

もし、ここまでの内容を読んで「確かにそうだな」と感じられたなら―。

そして、今だけの目線ではなく、長期的な視点で考えたときに、これは今こそ取り組むべき課題だと感じられたなら――。

ぜひ、この続きをご覧ください。

 

【永久保存版】salesforce利活用チェックシート 資料ダウンロード

経理DXへの道しるべ:Salesforce×freeeで「業務効率化」と「経営管理」を両立できる理由

1. 経理DXで目指す世界観

経理業務の属人化・二重管理・手作業の多さといった課題は、適切なシステムと仕組みを整えることで、「作業」から解放され、経理本来の役割である「利益を残し、未来を支える経営管理」に集中できる体制を築くことができます。

Salesforceとfreeeをしっかり連携させ、システムを武器に変革することで、経理はまさに理想的な姿へと進化できます。

【データが分断されない仕組みが業務効率化を支える】

営業や現場部門が扱う情報と、経理が管理する数字がリアルタイムで連携される仕組みがあれば、同じ情報を何度も手入力する必要はありません。

請求書の発行や売上の仕訳、入金確認、消込作業までがスムーズに流れ、経理担当者の負担は大幅に軽減されます。

結果として、ヒューマンエラーを防ぎながら、業務のスピードと正確性が飛躍的に向上します。

【経営判断に必要な情報を瞬時に可視化できる】

全社の数字がリアルタイムで統合されていれば、経営に必要な指標やデータも常に最新の状態で確認できます。

部門間の情報共有や月次・週次の経営レポートも、資料を集め直す手間はなくなります。

これにより、経理は単なる報告業務にとどまらず、「利益をどう残すか」「どこに投資すべきか」をデータで裏付けし、経営戦略の議論に貢献できる存在になります。

2. Salesforce×freee連携が「業務効率化」と「経営管理」の両立を可能にする理由

Salesforceが持つ顧客・商談管理、見積・請求データと、freeeが持つ会計・経理データ。

それぞれの得意分野を活かしながら連携することで、二重管理や手作業をなくし、数字の信頼性を高めることができます。

さらに、全社で共通のデータ基盤を持つことで、経理業務は単なる記録係ではなく、経営戦略のパートナーとして機能するのです。

この仕組みを導入すれば、経理業務の多くはシステムと仕組みに任せることができ、「利益をどう残すかを考える」戦略的な役割を担うことが可能になります。

私たちは、これこそが経理DXの真髄であり、Salesforce×freeeがその道しるべになると信じています。

Salesforce×freee会計!具体的な連携ポイント

ここまで経理業務の真の役割と、課題解決のためにSalesforce×freeeを活用した経理DXの全体像についてお話ししました。

ここからは、さらに具体的に、請求書の発行や売上仕訳、消込業務など、日々の経理業務で「やらざるを得ない作業」の自動化によって、経理担当者はどう「作業」から解放され、「経営管理に活かす仕事」へとシフトできるのか。

実際に利用しているツール・機能を交えながら、具体的な業務フローを画像を使って順に解説していきます。

請求書の発行・送付がワンクリックで完了!

1. 利用しているITツール・機能

2. 請求書データ作成の流れ

①見積明細の作成

②受注確定の自動通知

③請求書データの自動登録

3. 請求書発行・送付の流れ

①請求ステータスを変更

②請求書の自動生成

③請求書送付と仕訳データの連携

【freee会計の画面】

④活動履歴の確認

4. この仕組みがもたらす価値

この一連の流れにより、営業部門が作成した見積情報をそのまま経理業務に活かすことが可能になっています。

経理担当者が、見積情報を再確認したり、二重入力する必要は一切ありません。

すべてが「確認してボタンを押すだけ」のワンクリック操作で完結し、ヒューマンエラーの防止やスピード・正確性の向上を実現します。

ここまでで、【よくある質問】

Q. Salesforceの商談は全員が必ず使わないといけないの?ライセンス費用が心配…

A. これは誤解です。

Salesforceの商談は「標準オブジェクト」で、見積・請求(カスタムオブジェクト)との関係性によってライセンスの構成が変わってきます。

見積・請求を商談の「主従関係」にする場合は、見積・請求を扱うすべてのユーザーがSalesCloudライセンス(月額19,800円)を持つ必要があります。

しかし、「参照関係」にすれば、見積・請求の業務だけを扱うユーザーは、Platformライセンス(月額12,000円または3,000円)に切り替えることが可能です。

つまり、見積・請求の操作権限に合わせて、ライセンスの構成を柔軟に設計できるということです。ライセンス費用を抑えながら、必要な機能はしっかり使える――そんな仕組みづくりも、経理DX推進において大切なポイントです。

 

salesforceを劇的に改善する3つの手法 資料ダウンロード

売上に関する仕訳入力・入金一覧作成作業がゼロ

経理業務において、売上に関する仕訳入力や入金一覧の作成は、これまで多くの時間と労力を必要としてきました。

しかし、Salesforceとfreee会計をAPIで連携させることで、これらの作業はすべて自動化され、経理担当者の負担を大きく軽減できます。

1. 利用しているITツール・機能

2. 売上に関する仕訳入力の流れ

Salesforceから顧客に請求書を送付したタイミングで、API連携を通じてfreee会計に仕訳データが自動登録されます。

  1. 連携される仕訳データには、以下の情報が正確に含まれます。
    a. – 取引先
    b. – 部門
    c. – 品目
    d. – メモタグ

経理担当者がこれらを再入力する必要はなく、確認だけで済む仕組みです。

①仕訳デーの自動登録

【freee会計の画面】

3. 入金一覧の自動作成

freee会計では、売掛金の仕訳が登録されると同時に、「入金管理レポート」にも自動でデータが反映されます。

これにより、別途エクセルなどで入金予定一覧を作成する作業が不要になり、入金消込の管理が一目瞭然になります。

4. この仕組みがもたらす価値

この仕組みによって、これまで経理担当者が手間と時間をかけていた売上仕訳の入力や入金一覧の作成は、ゼロになります。

その分、経理は経営の意思決定に必要なデータの活用や戦略立案に集中できるようになるのです。

💡 ワンポイントアドバイス:

 freee会計側の仕訳自動化設定は最初にしっかり行いましょう!

freee会計の「取引登録」や「入金管理レポート」の自動登録機能は非常に便利ですが、初期設定を怠ると正しく連携されません。

どの項目をどのタイミングで自動反映させるか、freee側の「勘定科目設定」「部門設定」なども見直しておくと、スムーズな自動化が実現できます。

ここまでで、【よくある質問】

Q. Salesforceからfreeeに連携される情報は、どこまで自動化されていますか?

A. 連携されるデータは「取引先」「部門」「品目」「メモタグ」などの基本情報です。

 さらに、freee会計側の自動仕訳ルールを活用することで、より詳細な仕訳パターンを設定・ 自動化することも可能です。

私達フライクではメモタグに「Boxに格納した請求書URL」を連携しているので、電子帳簿保存法にも対応する流れを取っています。

Q. 部門コードやメモタグの使い方に迷うのですが、どう整理したらいいですか?

A. 会社の「どんな単位で数字を見たいか(プロジェクト・チーム・営業所など)」に合わせて整理するのがおすすめです。

Salesforce・freee双方で同じ項目名・ルールに合わせておくと、混乱せず管理できます。

消込業務がワンクリックで完了。さらに営業への情報通知も即座に完了

売掛金の入金確認や消込業務は、経理担当者にとって長年「時間がかかる作業」の代表格でした。

しかし、Salesforceとfreee会計の連携を活用することで、これらの作業はワンクリックで完了し、入金情報の即時共有まで実現できます。

1. 利用しているITツール・機能

2. 消込業務の具体的な流れ

●Freee会計上で消込作業を実施

●Salesforceでワンクリック連携

●リアルタイムで入金状況を把握

3. この仕組みがもたらす価値

こうした連携により、これまで時間と労力を要していた入金確認・消込業務は、「確認してボタンを押すだけ」に変わります。

二重管理や入力ミスのリスクをなくしながら、営業部門へのスムーズな情報共有も同時に実現。まさに、作業を最小化し、経営管理のスピードを最大化する仕組みです。

ここまでで、【よくある質問】

Q. Salesforceとfreee会計の消込ステータスの更新タイミングはリアルタイムなの?

A. SlackやSalesforceダッシュボードでは、freee会計から取得した最新情報が反映されます。

ただし、freee会計側の入金明細の更新タイミング(インターネットバンキングの同期)によって、数分〜数十分のラグが出る場合があります。

Q. Salesforceの入金情報取得ボタンは誰でも押せるの?権限管理は大丈夫?

A. SalesforceのVisualforce画面は、管理者権限や権限セットで操作制御が可能です。
経理担当者だけにボタン押下権限を付与し、営業などには「閲覧のみ」とする運用もスムーズに実現できます。

最後に:未来志向の経営管理を一緒に

経理業務やバックオフィス業務は単なる「作業」ではない!

日々の請求書発行や仕訳処理に追われがちな経理業務ですが、本質的な役割は、利益を残し、未来の成長を支える「経営管理の中核」に他なりません。

その実現の鍵を握るのが、Salesforceとfreeeの連携です。

Salesforce上での請求書データがfreeeに連携され、仕訳や入金管理まで一気通貫で自動化される仕組みは、経理担当者を日々の作業から解放し、経営判断を支える「数字の番人」へと進化させます。

もし「Salesforceは営業ツール」「経理は作業の積み重ね」と単純に考えていたならば、今回を機にもう一歩踏み込んでみませんか?

フライクは、単なるシステムの導入ではなく、「作業から戦略へ」経営管理の進化を共に形にしていくパートナーです。

どうぞお気軽にお問い合わせください。

私たちは、経営管理の未来を一緒につくる準備ができています。

自己紹介
大瀧 龍 株式会社フライク 代表取締役

福岡県福岡市出身。富士通グループ会社のシステムエンジニアや営業支援などを経て、2017年にfreee株式会社に参画。九州支社長と広島営業所長を兼任し、2019年には西日本の責任者としてマザーズ上場に貢献する。同年2019年に「3rdコンサルティング株式会社」を創業。システムを活用した中小企業の経営課題解決やIT化、DX化支援に取り組む。システムエンジニアや営業として現場で培った経験を生かして、フロントオフィスとバックオフィスの両方をカバーし、システム設計・開発から運用提供まで一括して提案できるコンサルティングを追求。

2021年11月に社名を「株式会社フライク」に変更し、新たなスタートを切る。IT普及を目指すコミュニティ「ふくおかクラウドCafe」や、YouTube「システム組立ちゃんねる」なども運営し、地方企業のIT化推進に日々努めている。

お問い合わせ 無料オンライン相談予約はこちらから

CONTACT US お問い合わせ

システムを武器に
変革するための第一歩

お問い合わせ

1営業日以内に、
担当者よりご返信いたします。