こんにちは。
システム組立ちゃんねるを運営する株式会社フライクの大瀧です。
今回のブログのテーマはこちら。
昨今「組織変革」「業務改革」という言葉をよく耳にします。
ブログを読んでいる方の中にも、今まさにそういった改革や変革に携わっている方もいるのではないでしょうか。
突然ですが、そんな皆さんに3つの質問です。
【質問①】
システム導入する際、RFPや要件定義書は社内でしっかり用意した上で、システムベンダーやツールベンダーに声をかけていますか?
【質問②】
システム導入、刷新が完了したXヶ月後、どういう状況になり、どのようなことが改善されて、どういう効果が出ていますか?
【質問③】
ビジネスの成長に欠かせないデジタルツール・ITシステムを導入した暁には、新しいビジネスの収益源の種が見つかっているイメージをしっかり持てていますか?
この3つの質問は、システム導入の前にかならず確認すべき事柄です。
上の3つの質問に対する答えに窮したり、「うちの会社、そこ弱いんだよな」「痛いところ突くね」と思ったりした方は、ぜひ最後までお付き合いください。
目次
この章では、システム導入前に実施すべき3つのポイントを解説したいと思います。
フライクでは、お問い合わせいただいたお客さま全員に「どんな予算感の取り方をしているのか?」「その投資に対する効果はどう考えているか?」という質問を投げかけています。
はっきり申し上げると、最初からこの答えに満足な回答をいただける企業さまは稀です。
どのような回答が多いかというと、例えば
● システムを導入して、現在掛かっている費用を少なくしたい
● 業務効率化して関与する人数を削減したい
というものです。
建設的な回答だと思う方もいらっしゃるでしょうが、考え直していただきたいのが
● その内容を経営陣はポジティブな投資と判断したのでしょうか?
● システム導入は自社にとって、会社全体がワクワクするような投資なのでしょうか?
表面的には「費用を少なくしたい」「人員を削減したい」とのリクエストを経営陣が発言しているかもしれませんが、本音は違うかもしれません。
● もっと会社を良くして社員が笑顔で働けるようにしたい
● お客様に届ける価値にもっと磨きをかけたい
本来多くの企業が掲げているビジョンやミッションは、こちらのはずです。
目先の「削減」のためのシステム導入では、これらの目的は達成できません。
そこで、システム導入前に実施すべきポイントは以下となります。
では、詳細について見ていきましょう。
皆さんは、「As is」「To be」という用語に聞き覚えはありますか?
ビジネスのフレームワーク「As is-To be」。
現状を正しく把握し、理想とのギャップを把握することで、取り組むべき課題を明確にするためのフレームワークです。
ビジネスマンなら一度は聞いたことがある言葉だと思います。
少し解説をしていきます。
今、狭い賃貸物件に住んでいて、最寄り駅から10分かかるし、築年数もだいぶ経ってきた。
そして、趣味部屋や子供部屋がほしいな、と思っている【現状】が、As is。
もっと広くておしゃれな分譲マンションに住んで、趣味を満喫する部屋や子供一人一人に子供部屋を与えたいなというのが【理想像】で、To be。
ただ、全ての希望を叶えると予算オーバーするから家族と話し合って優先順位をつけよう!
ということをプライベートで考えたりしますよね?
それがAs is、To beで考える思考法で、現状と理想像のギャップをどう埋めるか?というプロセスです。
では、ビジネスの場合はどうでしょう。
現在のビジネスにおける課題に対して、理想像を想像し、そのギャップを埋める変革やシステムをしっかりと社内で要件を整理できていますか?
そして、それを社外メンバーが見てもわかりやすい用語で、整理整頓された資料として提示できますか?
これが先ほどの【質問①】の意図となります。
【質問①】
システム導入する際、RFPや要件定義書は社内でしっかり用意した上で、システムベンダーやツールベンダーに声をかけていますか?
つまり、「今どんな状態で」「将来こうなりたい背景や意図」「それを叶えるシステムはこうです」というのが「RFP」と「要件定義書」です。
これらが整理されていない中で、システムベンダーやツールベンダーに声をかけることは、システムを【機能ベース】や【価格ベース】で比較して、ただ「良し悪し」の判断をするだけになってしまいます。
例えば、あなたが新築の分譲マンションを購入したとします。
最寄り駅から自宅までの時間が短縮され、趣味部屋や子供部屋ができたらどのような新しい生活スタイルになっていますか?
● 家族とのコミュニケーションが活発になり、晩ご飯を一緒に食べる機会が増えた
● 趣味に没頭できる時間が増え、ストレス解消や週末が楽しみになってきた
● 通勤が楽になって帰宅時間は変わらないものの、通勤にストレスがなくなった
などのように、将来の生活をイメージするとワクワクしますよね!
では、これをビジネスに当てはめてみましょう。
● 新しいシステムを導入した
● 既存のシステムに機能を追加した
先ほどのマンションの例えで言うなら、この二つはただ単に「マンションを買っただけ」の状態です。
これだけでは、「システムを導入してよかった・成功した」とは言いづらいです。
● システムを入れることで、業務が〇時間短縮され、繁忙期の残業を〇%カットできる
● システムを導入することで、二重入力が発生していた業務がなくなるため、本来やりたかった戦略の検討をしたい
● 将来的にはシステムを通じて自社のミッションのこの部分を遂行したい
これらをいつ考えるかが重要ですが、フライクとしてはシステム導入前に考えていただくことをお勧めします。
未来は、描くことからスタートします。
つまり、イメージしていなければ実現できないのです。
システム導入前の机上の空論かもしれませんが、考えることによって【描いた未来】を実現できる可能性が1%でも上がるのであれば、積極的に実施しましょう!
プライベートの投資とビジネス投資の大きく違うところは、「感情を抜きにして、ロジカルに投資に対する効果を求められること」です。
前章では分譲マンションを例にあげましたが、多くの方は分譲マンションを「買いたいから」購入することはあっても、購入したあとの費用対効果や投資対効果を事前に考える方はごく稀だと思います。
一方、企業がなにか投資をした際、投資だけではなく効果に還元する必要があります。
その効果を出すのが短期的な場合もありますが、長期的な目線で考えなければならない場合もあります。
例えば、新卒採用をした場合、入社後すぐに新卒が戦力になることは考えていないと思います。
企業にもよりますが、だいたい6ヶ月〜12ヶ月は教育期間があるのではないのでしょうか?
そして、その後一人前になっていき、会社に貢献していくという流れになります。
システム導入をしたあとの話に戻りましょう。
経営陣がまず求めているのは「売上」と「効率化」=「利益」です。
売上、利益にテコ入れするためのシステムは、単純に今ある機能を置き換える、便利機能を追加するだけでは達成できません。
では、どのようにすれば良いのでしょうか?
この章では、私達フライクがなぜ「業務フロー設計書作成」にこだわるのか。
ポイントを3つに絞って解説します。キーワードは「美しい」です。
皆さんはルンバを使ったことがありますか?
「部屋を自動で掃除してくれる」という便利な機能を持ったルンバですが、そのルンバが掃除できるのは【床に大きな荷物が散らかっていない部屋】です。
ルンバを最大限活躍させるためには、部屋そのものがある程度整理整頓されている必要があります。
業務フロー作成の話に戻りましょう。
システムを武器に変革する企業との共通項はなんでしょうか?
そう。整理整頓された【部屋】=【業務フロー】があることです。
つまり、汚い部屋でルンバが活躍できないのと同様に、整っていない=属人化された業務フローや、作ってから誰も触っていないパンドラの箱のような業務をシステムで置き換えても、イレギュラーが頻発するシステム導入になってしまいます。
そのため、せっかくシステムを導入しても「エクセル」や「アクセス」に先祖返りしてしまうのです。
そして、整理整頓された美しい業務フローがあれば、長期的に多くの人材がきちんと育成されるきっかけを作ることができるでしょう。
理由は、日常のルーチンワーク・タスクの進捗状況や消化状況がしっかり把握でき、その業務を行っている個人への評価がわかりやすい仕組みになるからです。
また、社内のナレッジが溜まりやすい状態になっていることが多く、新人が一人前になるまでの育成方法がまとめやすいというメリットもあります。
昨今、日本のみならず世界中でAIやRPAがめざましく発展し、最近ではChatGPTや生成AIが作業を担ってくれます。
そういったデジタルツールの力を利用して、デジタルツールに任せて良い業務と我々人間にしかできない業務を分けるためにも、業務フローをしっかりと洗練された美しい状態に保つことが重要になるのです。
最後に、肝心なシステム目線をお伝えします。
改革したい業務の内容が定まっていない、社内で明確なルールや業務の進め方が決まっていない状態でツールの導入やシステム開発を外注したらどうなるでしょうか?
前提として、ツールベンダーやシステムベンダーは自分たちが想像する・おすすめする機能を提案します。
その結果、現場は使えないシステムの利用を強いられることになります。
一方で、美しい業務フローに合致したシステムを利用していれば、同じ業務内容でも効率化され、時間短縮が実現できているでしょう。
その結果、本当にやりたかった業務や、新しいチャレンジができる状況になります。
これが、先ほどの【質問②】と【質問③】の意図となります。
【質問②】
システム導入、刷新完了したXヶ月後、どういう状況になり、どのようなことが改善されて、どういう効果が出ていますか?
【質問③】
ビジネスの成長に欠かせないデジタルツール・ITシステムを導入した暁には、新しいビジネスの収益源の種が見つかっているイメージをしっかり持てていますか?
システム導入する際は、単にシステムだけを導入するのではなく、「組織改革・業務変革」を意識して「業務設計書」を作成することが大事になります。
ここまでお読みいただいた方は美しく洗練された業務設計書の必要性をご理解いただけたと思います。
ただ、「じゃあ具体的にどういうものを作ればいいの?」「どうすればいいの?」と具体策を知りたいという方もいらっしゃるでしょう。
安心してください。このブログでは注意喚起だけでは終わりません。
フライクのノウハウをしっかりと、惜しみなくお伝えします。
この章では、フライクが実際に使用している「業務設計書」をもとに、さらに応用をきかせたいと思います。
【業務フロー概要を把握するための業務概要設計書のサンプル】
【業務とシステムを融合させた業務詳細設計書】
ここまでしっかりと業務フローを落とし込むと、システムで実現したい機能要件をしっかり作り込むことができます。
いかがでしたでしょうか?
システム導入成功率を1%でも上げるためのフライクの手法「業務設計書」へのこだわりを感じていただけましたでしょうか?
フライクは「Salesforceやfreee、Boxなどのツール運用だけに強い」というイメージがあるかもしれませんが、あくまでそれは手段のひとつにすぎません。
ツールや手段をうまく利用してビジネス課題を解決し、企業が実現したい「描いた未来」を具現化するためには、業務整理は避けては通れません。
しかし、多くの企業やツールベンダー、システム開発会社は手段を目的にすり替えてしまっていることが多いです。
ぜひ、システムを武器に変革するための第一歩「業務設計書」の作成をフライクと一緒にしてみませんか?
株式会社フライク 代表取締役 大瀧 龍
NEW ARTICLES