なぜ機能要件だけでは失敗するのか?Salesforce×ERPを成功に導く新プロジェクト推進の全貌

なぜ機能要件だけでは失敗するのか?Salesforce×ERPを成功に導く新プロジェクト推進の全貌

「高額なシステムを導入したのに、現場の業務は何も改善されていない」

「Saasツールに変えたくて、SalesforceやクラウドERPを導入したのに、かえって現場からの不平不満は増えている」

「EPRシステムとして導入し、基幹システムと連動したのに、データがバラバラで結局Excelに戻ってしまった」

もし、あなたの会社でこのような状況が起きているなら、それは決してツールの問題ではありません。

多くの企業がSalesforce×ERP導入で失敗する真の原因は、「機能要件」から始めてしまうからです。


「どんな機能が必要か?」
「どのツールを選ぶべきか?」
――確かにこれらは重要です。

しかし、その前にもっと本質的な問いがあります。

■ そもそも、あなたの会社の”業務”は整理されていますか?

■ どの部署の、誰が行っている業務を改善し、それを会社全体でみるとボトルネックになっている理由と改善した後の姿を思い描けていますか?

どれだけ高性能なツールを導入しても、業務プロセスが曖昧で、部署間の連携が取れていなければシステムは機能しません。それはまるで、部屋が散らかったままロボット掃除機を動かすようなものです。

もし、あなたやあなたの所属する企業が、

  • 「再度システムに投資したいけれど、また失敗したくない」
  • 「今までのパートナーにはお世話になったものの、この先のステップには少し物足りなさを感じている」
  • 「単なるシステム導入ではなく、組織改革やビジネスの発展まで一緒に考えられるパートナーを探している」

なら、本記事で「もう失敗しないSalesforce×ERP導入」の道筋が明確に見えてくるはずです。そして、フライクがなぜ多くの企業から「次のステップを一緒に考えられるパートナー」として選ばれているのか、その理由もご理解いただけるでしょう。

今回は特別に、機能要件より前に取り組むべき「業務設計」「ツール仮確定」「システム設計」の3つのフェーズを体系的に解説し、実際に使えるテンプレートもご提供しています。

過去の失敗を繰り返さず、本当の意味で「業務が改善され、組織が成長する」システム導入を実現したい方は、ぜひ最後までお読みください。

日常生活から紐解くシステム失敗理由:なぜ機能要件だけでは失敗するのか?

具体的に引っ越し・注文住宅・ロボット掃除機という3つの身近な例を通じて、「なぜ機能要件から始めると失敗するのか?」を理解してみましょう。

これらの例を読めば、「業務設計なしに大規模システム導入やDX推進を行う危険性」が、まるで自分の失敗体験のようにリアルに感じられるはずです。

Salesforceを全社導入する場合も、ERPシステムを刷新する場合も、業務改善を目的としたシステム導入である以上、同じことが言えます。

そして、「機能要件より前に取り組むべきこと」の重要性が、腹落ちするでしょう。

プライベートで考える失敗しないための準備

私たちは日常生活で、「準備なしに行動すると失敗する」ことを経験的に知っています。

ここでは、「賃貸物件への引っ越し」「憧れの注文住宅」「部屋の掃除をロボット掃除機に任せる」という3つの例を通じて、「なぜ準備が重要なのか?」を確認していきます。

① 賃貸物件の引っ越し──引っ越しを検討した背景が具体的な物件探しにつながる

引っ越しを考えるとき、多くの人はまず「どんな物件がいいか?」を考え始めます。

「駅近がいい」
「広いリビングが欲しい」
「最新設備の物件を」
──確かにこれらは重要な条件です。

しかし、その前に必ず「なぜ引っ越しをしたいのか?」というきっかけがあるはずです。

  • 転職して通勤時間が長くなったので、会社の近くに引っ越したい
  • 家族が増えたので、もっと広い部屋に住みたい
  • パートナーと同棲するにあたり、リモートワーク用の部屋が欲しい

つまり、私たちは無意識のうちに「現状の課題(As is)「理想の状態(To Be)を整理してから、物件探しを始めているのです。

そして、新しい部屋が決まったら、次は「今の家具や家電が使えるか?」を確認します。

例えば、

  • 冷蔵庫:10年前のもので小さいから、新居では大きいものに買い替えよう
  • カーテン:新しい部屋は窓が大きくなるから、今のカーテンは処分しよう

このように、「目的物件選び準備」という順序で進めるからこそ、引っ越しは成功するのです。

もしこれと同じ考え方でシステム導入ができていたら、失敗することはないでしょう。

② 憧れの注文住宅 —— 予算と相談して要望を整理する

次に、注文住宅を建てるケースを考えてみましょう。

注文住宅は、賃貸物件と違い、「自分たちで一から設計できる」という大きな魅力があります。

しかし、その自由度の高さとは裏腹に、予算や敷地面積などの制約から、すべての要望を叶えることはできません。

例えば、家づくりを始めると、こんな要望が次々と出てきます。

  • ゴルフが趣味だから、地下室でゴルフの練習ができるスペースが欲しい
  • 家事動線を考えると、キッチン・お風呂・洗濯機を近くに配置してスムーズに動けるようにしたい
  • 将来の家族構成を考えると、5LDKは欲しい
  • リモートワークが増えたから、防音性の高い書斎が必要

しかし、現実的には予算や土地の広さに限りがあります。

そこで多くの人は、「優先順位をつけて、本当に必要なものを選び取る」というプロセスを踏みます。

  • 「地下室は予算オーバーだから、代わりに庭にゴルフネットを設置しよう」
  • 「5LDKは難しいけど、将来間仕切りできる広い部屋を作ろう」
  • 「書斎は予算的に厳しいので、リビングの一角にワークスペースを確保しよう」

つまり、「理想と現実のバランスを取りながら、自分たちにとって最適な設計を固めていく」のです。

これは、まさに「業務設計→ツール選定→システム設計」というプロセスそのものです。

ところが、システム導入になると、この当たり前のプロセスが飛ばされてしまいます。

システムベンダーから機能を紹介されて、「いいな、この機能!」と感じる。ただし、価格は高い。

でも、会社のお金だから「稟議が通ればいいな」と考え、とりあえず導入する。

そして、いざ導入してみると、実際には使わない機能ばかりだった…というケースが非常に多いのです。

なぜこんなことが起きるのでしょうか?
それは、「自分のお金」と「会社のお金」を切り分けてしまっているからです。

プライベートであれば、自分の財布から出るお金なので、
「本当に必要か?」
「費用対効果はあるか?」
を真剣に考えます。

しかし、会社のシステム導入となると、
「予算があるから」
「ベンダーが勧めるから」
という理由で、本来不要な機能まで導入してしまうのです。

注文住宅と同じように、システム導入でも「理想の業務フロー」と「現実的な予算・リソース」を照らし合わせ、優先順位をつけることが不可欠です。

この視点が欠けていると、どれだけ高機能なシステムを導入しても、「使われない機能だらけで、結局誰も使わない」という失敗に終わってしまいます。

③ 部屋の掃除を「ロボット掃除機」に任せる —— 部屋が散らかっていたら高性能でも動かない

ロボット掃除機は非常に優秀です。高性能なセンサーを搭載し、自動で部屋を掃除してくれます。

しかし、どれだけ高性能なロボット掃除機でも、部屋が散らかっていたら動けません。

例えば、こんな状況を想像してみてください。

  • 床にモノが散乱している → ロボット掃除機が引っかかって止まる
  • コードが絡まっている → エラーで動作停止
  • 家具の配置がバラバラ → 掃除できないエリアが増える

結果として、「高いお金を払って最新のロボット掃除機を買ったのに、結局手で掃除している…」という状況に陥ります。

つまり、ロボット掃除機を活かすためには、「まず部屋を片付け、動きやすい環境を整える」ことが必要なのです。

具体的には、次のような準備が欠かせません。

  • 床に散らばっているモノを整理して、ロボット掃除機が動ける動線を確保する
  • コード類をまとめて、ロボット掃除機が引っかからないようにする
  • 家具の配置を見直して、掃除しやすいレイアウトにする

この準備ができて初めて、ロボット掃除機は本来の性能を発揮できるようになります。

逆に言えば、どれだけ高性能なロボット掃除機を買っても、部屋が散らかっていたら意味がないのです。

そして、これはシステム導入でも全く同じです。

どれだけ高機能なSalesforceやERPを導入しても、業務プロセスが整理されていなければ、システムは動きません。

  • 業務フローが曖昧 → システムに落とし込めない
  • データが整理されていない → 移行作業で混乱
  • 組織の役割分担が不明確 → 誰が何をするか決まらず、現場が混乱

つまり、「システム導入=ロボット掃除機を買うこと」ではなく、「部屋を片付けてからロボット掃除機を買うこと」なのです。

これら3つの例に共通するのは、「環境が整っていなければ、どれだけ優れたものを選んでも失敗する」という点です。

▶ 引っ越し:引越を考えたきっかけ(システム導入の目的)を叶える条件(システムで解決できる機能)を探す

注文住宅:理想と現実のバランスを取りながら設計図(業務フロー)を固める

▶ ロボット掃除機部屋(業務環境)を片付けてからロボット掃除機(システム)を導入する

システム導入も同じです。

① 業務を整理する

② 組織の課題を明確する

③ ツールを選ぶ

——これが成功の鍵なのです。

では、なぜビジネスのシステム導入では、この「準備」が飛ばされてしまうのでしょうか?

システム導入は、なぜ機能要件からスタートしてしまうのか?

その背景には、3つの大きな理由があります。

①自社のビジネスモデルや将来設計・発展、業務の流れを説明できない

多くの企業は、「システム導入専門家に任せるもの」と考えています。

確かに、技術的な部分は専門家のサポートが必要です。
しかし、「自社のビジネスモデル」「将来の事業展開」「組織の課題」「業務プロセス」は、他社には分かりません。

にもかかわらず、「とりあえずベンダーに相談すれば何とかなる」と考え、自社のビジネス全体像や業務の整理を怠ってしまいます。

結果として、ベンダーは「一般的な機能要件」の提案をせざるを得ず、自社の本質的な課題や将来のビジョンは反映されないままプロジェクトが進んでしまうのです。

② ITツールベンダーに問い合わせをすると、なんとなく進めている感じになる

「そろそろシステムを導入したい」と考えたとき、多くの企業はすぐにベンダーに問い合わせをします。

しかし、

「何を解決したいのか?」
「どんな業務フローにしたいのか?」
「どのような将来像を描いているのか?」

が明確になっていない状態で問い合わせても、ベンダーは的確な提案ができません。

結果として、「とりあえず話を聞いてみよう」という曖昧なまま商談が進み、気づいたら高額な契約にサインしていた…というケースが後を絶ちません。

③ ツールの機能比較をした方が金額や機能報告がしやすい 
 利活用が不明なのにツールの機能比較で納得してしまう

ベンダーに相談すると、多くの場合「こんな機能があります」「こんなことができます」という機能ベースの提案を受けます。

これは決して悪いことではありません。ベンダーは自社の製品を最大限活かす提案をするのが仕事だからです。

しかし、導入後にシステムがうまく活用できないと、「このツールは使いにくい」「機能が足りない」とITツールのせいにしてしまいがちです。

実際には、自社の業務プロセスが整理されていなかったり、運用体制が整っていなかったりすることが原因であるケースがほとんどです。

結果として、システムの問題ではなく準備不足が原因であるにもかかわらず、ツールを責めて次のシステムへと乗り換える……という悪循環に陥ります。


つまり、

①自社のビジネスや業務を説明できない

②準備なしに問い合せをする

③利活用できない責任をツールに転嫁する
 ツールの機能比較で納得してしまう

これら3つが、システム導入が「機能要件」から始まってしまう根本的な原因です。

そしてこの問題は、単なる「準備不足」では片付けられません。

なぜなら、多くの企業にとって「自社の業務を言語化する」こと自体が、極めて難易度の高い作業だからです。

日々の業務は「なんとなく回っている」状態で、明文化されたプロセスがないケースがほとんどです。属人化した業務、口頭での引き継ぎ、暗黙知に頼った判断……こうした「見えない業務」を可視化し、整理するには、相当な時間と労力が必要です。

さらに、経営層と現場の認識のズレも大きな障壁となります。

  • 経営層は「システムを入れれば効率化できる」と考える
  • 現場は「今のやり方を変えたくない」と抵抗する
  • IT部門は「要件が明確でないと何も進められない」と板挟みになる

この三者の思惑がバラバラなまま、ベンダーに丸投げしても、当然うまくいくはずがありません。

では、どうすれば失敗を防げるのか?

答えは、「システム導入前に、自社の業務とビジネスモデルを徹底的に整理する」ことです。

これは決して簡単なプロセスではありませんが、ここを飛ばしてしまうと、どれだけ優れたシステムを導入しても失敗します。

 

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大規模システム刷新を成功に導く”フライク式プロジェクト推進”とは?

私たちフライクは、Salesforce×ERP導入をはじめとする大規模システム刷新プロジェクトにおいて、独自のプロジェクト推進手法を確立してきました。

それが「フライク式プロジェクト推進」です。

この手法の最大の特徴は、システム導入を「ITプロジェクト」ではなく「経営変革プロジェクト」として捉える点にあります。

つまり、単なるツール導入ではなく、企業の成長戦略を実現するための基盤づくりとして、システム刷新を位置づけているのです。

フライク式プロジェクト推進方法—— システム導入が目的ではなく”数字が動く仕組み”を作る

システム導入プロジェクトで最も陥りやすい罠——それは、
「ITシステム・ITツール導入すること自体が目的化してしまう」
ことです。

「Salesforceを導入して、運用が乗っています」「ERPを刷新し、従来のシステムと同じことができるようになっています」と報告できれば、プロジェクトは成功……本当にそうでしょうか?

答えはもちろん「NO」です。

システムを導入して

  • 売上が伸びた
  • 業務効率化が改善された
  • 販管費の数字にインパクトが出た

そのような状態が3−5年以内に発生しなければ、そのシステム導入は失敗していると言えるでしょう

だらこそ、私たちフライクが何よりも重視しているのは、「数字が動く仕組み」を作ることです。

① Salesforce導入が目的化すると失敗する

多くの企業が「Salesforceを導入すれば営業が強くなる」と期待してプロジェクトをスタートさせます。

しかし、いつのまにか、CRM・SFA導入すること自体がゴールになってしまうと、以下のような事態に陥ります。

  • とりあえず顧客情報を入力するだけのシステムになり、誰も活用しない
  • 営業担当者が「入力作業が増えた」と不満を持ち、現場の抵抗にあう
  • 経営層は「導入したのに成果が出ない」と失望し、投資対効果を疑い始める

これは、「どの数字にインパクトを出すために導入するのか?」という目的が明確になっていないことが原因です。

そこでフライクでは、プロジェクトの最初に必ず「このシステムで何を実現したいのか?」を徹底的に言語化します。

☛「受注率を20%向上させたい」
☛「営業の予測精度を高めて在庫ロスを削減したい」
☛「部署間の連携不足で発生している残業時間を30%削減したい」

こうした具体的な成果目標を設定することで、システム導入が「手段」として正しく機能するのです。

さらに業務設計では、この数字に着眼してより深掘りし、どうやって受注率を向上させるのか、在庫ロスを削減するための具体施策と、その数字の見える化までを検討していきます。

② ERP的にプロセスとデータを一貫管理する重要性

Salesforceは強力な営業支援ツールですが、それ単体では企業全体の業務を最適化できません。

なぜなら、営業活動は「受注して終わり」ではなく、受注後の受発注管理、在庫管理、経理処理、カスタマーサポート……と、さまざまな部署に業務が連鎖していくからです。

ここで重要になるのが、ERP的な発想です。

ERPとは「Enterprise Resource Planning(企業資源計画)」の略で、企業全体の業務プロセスとデータを一元管理する考え方です。

パッケージ型ERP、クラウド型ERPなど、ERPは様々ありますが、私たちフライクでは、Salesforceを単なる営業ツールとしてではなく、SalesforceをERPの中核として位置づけ、他の基幹システムと連携させる設計を行います。

これにより、以下のような効果が生まれます。

  • 営業が受注した瞬間に、生産・在庫・経理に情報が自動連携され、二重入力や転記ミスがなくなる
  • 部署間の「隙間」で発生していた確認作業や待ち時間が削減され、業務スピードが劇的に向上する
  • リアルタイムで全社のデータが可視化され、経営判断のスピードと精度が上がる

つまり、Salesforce×ERPの連携によって、企業全体が「一つの仕組み」として動くようになるのです。

これこそが、フライクが目指す「数字が動く仕組み」の本質です。

③ 「受注率向上」「売上予測精度UP」「部署間の隙間をなくして残業時間を削減」など、成果から逆算するプロジェクト設計

フライクのプロジェクト推進で最も特徴的なのは、「成果から逆算する設計」です。

多くのシステム導入プロジェクトは、「どんな機能が必要か?」という機能ベースで進められます。

しかし、フライクでは「どんな成果を出したいか?」を起点に、プロジェクト全体を設計します。

たとえば、以下のような成果目標を設定したとします。

  • 受注率を現状の15%から35%に向上させたい
  • 営業の売上予測精度を80%以上に引き上げたい
  • 部署間連携の非効率で発生している残業時間を月100時間削減したい

この目標が決まれば、次に「その成果を実現するために、どんな業務プロセスが必要か?」を逆算して設計していきます。

●受注率35%を実現するには?

☛商談管理を徹底し、失注理由を分析して改善サイクルを回す必要がある
 → そのためには、Salesforceで商談の進捗を可視化し、失注要因をデータ化する仕組みが必要

●売上予測精度80%を実現するには?

☛ 営業担当者の「勘」ではなく、過去データとパイプライン情報から精度の高い予測を立てる必要がある
  → そのためには、Salesforceに蓄積されたデータをAIや分析ツールで活用できる設計が必要

●残業時間を月100時間削減するには?

☛営業と製造、経理の間で発生している「確認待ち」「手作業での転記」を自動化する必要がある
 → そのためには、Salesforceと基幹システムをAPI連携し、データが自動で流れる仕組みを構築する必要がある

このように、成果目標から逆算して「やるべきこと」を明確にすることで、プロジェクトの方向性がブレなくなります。

そして、この逆算設計こそが、「導入して終わり」ではなく「導入してから成果が出る」システムを実現する秘訣なのです。

大規模システム刷新に向けた予算取り方法とシステム導入刷新に向けたスケジュール

「受注率を向上させたい」
「売上予測精度を高めたい」
「部署間の隙間をなくして残業時間を削減したい」

——こうした成果から逆算するプロジェクト設計を行うには、予算取りを「総コスト」で考えないことが重要です。

よくあるのが、「すべての総コストがわからないと予算取りなんかできない!」という経営陣の声です。しかし、それは誤った考え方です。

家を建てることに例えるとわかりやすいでしょう。
「アパート」「マンション」「高級マンション」「城」
——建築物によって予算は大きく変わりますが、何を建てるかが決まっていないのに、総コストを算出することはできません。

システム導入も同じです。多くの企業は「業務設計」を飛ばして機能比較や機能要件から入り、最悪の場合、いきなりシステム構築を始めてしまいます。

しかし、成功するプロジェクトは違います。
まず一年間のコストを想定し、段階的に予算を分けて取ることで、各フェーズの成果を確認しながら進めているのです。

【フライク式プロジェクト予算取りの4段階】

システム導入を成功させるためには、以下の4つのフェーズに分けて予算を取ることをお勧めします。

① 業務設計およびツール確定プロジェクト6ヶ月〜8ヶ月

  • ビジネスモデルの再定義、今後のビジネス展開の整理
  • 現状の業務フロー(AS-IS)と改善ポイントの洗い出し
  • 改善に向けたシステムに求めることの明確化(RFP策定)
  • 機能要件・非機能要件の整理
  • ツールの仮確定(Salesforceが最適か、他SaaSなのかを判断)

② システム設計プロジェクト6ヶ月

  • データ構造(オブジェクト設計)
  • 入力ルール、自動化(フロー/承認)の設計
  • 運用シナリオの策定
  • ERPとしての拡張性を見据えた設計

③ システム開発6ヶ月〜12ヶ月

  • 実際のシステム構築・開発
  • テスト・検証
  • ユーザートレーニング

④ システム運用

  • 本番稼働後の保守・運用
  • 継続的な改善活動

このように予算を4つに分けて取ることで、各フェーズの成果を確認しながら次のステップに進むことができます。特に①の業務設計フェーズをしっかり実施することが、後続のフェーズの成功確率を大きく高めます。

これが失敗しないプロジェクトの基本構造です。

業務設計・ツール仮確定・システム設計の具体的な実施内容

こちらでは、①業務設計、②ツール仮確定、③システム設計の各フェーズで行う具体的な内容を詳しく解説します。

特に重要なのは、「業務設計なくして、正しいシステム設計はできない」という原則です。

多くの企業が失敗するのは、この順序を飛ばして「いきなりシステムを作り始めてしまう」ことにあります。

成功するプロジェクトは、必ず業務の整理→ツールの選定→システムの設計という順序を守っています。

① 業務設計プロジェクトの具体的な内容

業務設計プロジェクトでは、以下の3つの柱で進めます。

  1. ビジネスの全体像を整理する
    ○ 自社のビジネスモデルを再定義し、今後の事業展開を明確にする
    ○「何を売って、どう儲けるのか」を言語化することで、システムに求める役割が見えてくる

    ◎重要ポイント
    「現状の業務をそのままシステム化する」のではなく、ビジネスの方向性を踏まえた設計を行う

  2. 現状の業務を可視化し、問題点を洗い出す
    ○ 現在の業務フロー(AS-IS)を整理し、無駄や属人化がどこにあるかを明らかにする
    ○ 営業・製造・経理など、部署をまたいだ業務の流れ(案件→契約→請求→入金)を見える化する
    ○「誰が何をしているか分からない」状態を解消し、プロセス全体を可視化する

    ◎重要ポイント
    「現場の声を聞く」だけでなく、部署間の連携や全体最適の視点で業務を整理する

  3. 理想の業務フロー(TO-BE)を設計し、システムに求めることを明確にする
    ○ 改善後の業務フロー(TO-BE)を設計し、「数字が動く業務」を明確にする
    ○ システムに何をしてほしいのか(機能要件・非機能要件)を整理し、RFP(提案依頼書)を作成する
    ○ Salesforceが最適なのか、他のツールが良いのかを判断するための材料を揃える

    ◎重要ポイント
    「ツールありき」ではなく、理想の業務プロセスから逆算してシステム要件を定義する

② ツール仮確定プロジェクトの具体的な内容

ツール仮確定プロジェクトでは、以下の3つの柱で進めます。

  1. Salesforceが最適か、他のSaaSが適しているかを初期判定する
    ○ 業務設計で明確になった要件をもとに、Salesforceの適合性を評価する
    ○ 他のSaaS(例:kintone、Notion等)との比較検討を行い、コストや機能面での優位性を判断する

    ◎重要ポイント
     
    「Salesforceありき」ではなく、業務に最適なツールを選ぶための客観的な判断を行う

  2. Salesforce以外に利用するツールを選定する
    ○ マーケティングシステム(MA)、タスク管理、プロジェクト管理ツールや会計システム、勤怠管理、経費精算など、Salesforceと連携する周辺ツールを選定する
    ○ 各ツール間のデータ連携の可能性を確認し、システム全体の整合性を保つためのシステムズを検討

    ◎重要ポイント
     
    「全部Salesforceでやる」のではなく、適材適所でツールを組み合わせる設計を行う

  3. 利用ユーザー範囲と既存システムとの連携を仮検討する
    ○ 誰がどのツールを使うのか、ライセンス数や権限設計の概要を整理する
    ○ 現在利用している既存システム(基幹システム、レガシーシステム)との連携方法を仮検討する

    ◎重要ポイント
     
    「仮確定」の段階で十分——業務の詳細設計が進むにつれて確度を上げていく

③ システム設計プロジェクトの具体的な内容

システム設計プロジェクトでは、以下の3つの柱で進めます。

  1. データ構造とオブジェクト設計を行う
    ○ 業務設計で明確になった要件をもとに、Salesforceのオブジェク(標準・カスタム)を設計する
    ○ データの持ち方、項目設計、リレーション設計を整理し、ERPとしての拡張性を担保する

    ◎重要ポイント
    「今必要な機能」だけでなく、将来の事業拡大を見据えたデータ構造を設計する

  2. UI・UX設計と自動化の仕組みを設計する
    ○ ユーザーが直感的に操作できる画面設計(Lightning Experience、アプリケーションビルダー)を行う
    ○ 入力ルール、自動化(フロー/承認プロセス)を設計し、業務の効率化を実現する

    ◎重要ポイント
    「仕様を満たす」だけでなく、「実際に使われる仕組み」を設計する

  3. 運用シナリオを策定し、保守・改善の体制を整える
    ○ システム稼働後の運用ルール、データメンテナンスの方法を明確にする
    ○ ユーザートレーニング計画、マニュアル作成、問い合わせ対応の体制を整備する

    ◎重要ポイント
    「作って終わり」ではなく、運用フェーズを見据えた設計を行う

 

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フライクでは、Salesforce×ERP導入を成功に導くために、実際のプロジェクトで使用している以下の成果物テンプレートを無料でプレゼントしています。

自社のプロジェクトにそのまま活用いただくことで、上流工程を確実に進め、「作ったけど使われない」「後から大幅な作り直しが必要になる」といった失敗を防ぎ、持続的に成長できるシステムを構築できます。

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まとめ

Salesforce×ERP導入を成功に導くための「フライク式プロジェクト推進」では、システム導入を「ITプロジェクト」ではなく「経営変革プロジェクト」として捉え、「数字が動く仕組み」を作ります。

そして、「成果から逆算する設計」により、「やるべきこと」を明確にして、

業務の整理→ツールの選定→システムの設計

という順で取り組んでいきます。

フライクは、単なるSalesforceの導入支援会社ではありません。

私たちは「機能要件より前に取り組むべき本質的な業務設計」を重視し、企業の成長戦略そのものをシステムで実現するパートナーです。

パートナー選びに迷っている方、自社の課題を整理したい方は、ぜひ60分無償相談会をご活用ください。経験豊富なコンサルタントが、貴社に最適な導入プランをご提案します。

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自己紹介
大瀧 龍 株式会社フライク 代表取締役

福岡県福岡市出身。富士通グループ会社のシステムエンジニアや営業支援などを経て、2017年にfreee株式会社に参画。九州支社長と広島営業所長を兼任し、2019年には西日本の責任者としてマザーズ上場に貢献する。同年2019年に「3rdコンサルティング株式会社」を創業。システムを活用した中小企業の経営課題解決やIT化、DX化支援に取り組む。システムエンジニアや営業として現場で培った経験を生かして、フロントオフィスとバックオフィスの両方をカバーし、システム設計・開発から運用提供まで一括して提案できるコンサルティングを追求。

2021年11月に社名を「株式会社フライク」に変更し、新たなスタートを切る。IT普及を目指すコミュニティ「ふくおかクラウドCafe」や、YouTube「システム組立ちゃんねる」なども運営し、地方企業のIT化推進に日々努めている。

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