あえてシステムで失敗

事前にシステムの失敗を検証し、成功だけを企業に届ける

事前にシステムの失敗を検証し、成功だけを企業に届ける

こんにちは。

システム組立ちゃんねるを運営している、株式会社フライク の大瀧です。

フライクの【こだわりブログ】と題してお届けしている内容の第六回目テーマはこちら。

システムに投資する金額は、売上高に対して1.1%が平均と言われています。

その中で、私たちフライクは10%も投資しており、金額としては多すぎると思います。

しかしながら、わたくし大瀧はこれらの投資は「意味ある投資」と判断し、創業から4年連続投資をし続けております。

その理由はシンプルで、

売上高に対して10%もITに投資する理由

⇒事前にシステムを検証し、そのプロセスや失敗原因を明らかにするため 

フライクが事前にシステムを試行して失敗すれば、その原因を解明することによって
「お客様のシステム導入時の成功率を高める」ことができるからです。

つまり、私たちフライクは「システム研究所」として、実験台になっているということになります。

これはどの企業でもできるわけではなく、経営者の意思決定と、それを実行してくれる仲間がいるからこそと自負しています。ですので今回は、その想いをお伝えできればと考えています。

システムベンダーがシステム・ITツールを知らないという事実 

ところで、私の経歴は下記の通りです。

1社目と2社目である「富士通グループ」および「富士通」では、Salesforceを主に扱う機会が多かったのですが、販売する商品は「Salesforce単体」で富士通の技術力・エンジニアスキルを提供していました。

クライアントは大企業が多いため、技術力や人が多い(良くも悪くも)ことに評価を頂いていたのですが、Salesforce以外のサービスで取り扱うのは、あくまで富士通製品。

3社目はSalesforceを主とした代理店。利益の原資は代理店ビジネスなので、さまざまなITサービス販売のなかでも、利幅が高いものを販売することを強いられていました。

具体的に言うと、DropboxとBoxはDropboxのほうが利幅が大きいため、いくらお客様の業務やSalesforceとの相性がよいBoxであっても、自社の売上げを優先するためにDropboxを販売するということです。

4社目の「freee株式会社」では、freee会計やfreee人事労務を主に、上場前にはfreeeだけではなく、SalesforceやMotionBoard、EvernoteやBoxなど、お客様の課題を解決できるサービスを提案していました(利幅なし)。そして、上場直前期には、炎上リスクを少なくするため、freee製品のみを販売するよう指示が出ていました。

この社会人経験を通して驚いたことは、IT業界の中でも積極的にITに投資する企業と、そうでない企業の差が色濃くあることです。

つまり、IT業界や商品を販売する立場であるメーカーでありながら、ITに投資していない企業に就職をしてしまうと、自社サービスや取り扱えるサービスのことしか知らない「井の中の蛙」状態になってしまいます。

ですので、「IT業界で働いていても、ITに詳しくない営業マンから提案を受けている」という可能性もあるということです。もちろん、自社の売上を上げるだけなら「自社サービス」や「自社取り扱い可能なサービス」の知識のみでも納得できます。

しかしながら、クライアントの課題は1つのITサービスだけで解決できるほど簡単ではありません。企業が成長するためにはITツールが必要不可欠であるものの、それを自社で使いこなせる人材の採用・育成は困難です。

だからこそ、弊社がその役割を担うことで、一社でも多くの企業が「描いた未来、一直線。」を実現できるように、フライクではシステムに対して過多に投資し続けております。

 

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結論:システム導入成功率を100%に近づけたい 

「なぜ、フライクが売上高に対し10%もの金額を導入前のシステムに投資するのか?」について、もう少し深掘りをしたいと思います。

結論からお伝えすると

企業の大切な利益をシステム投資で損失してほしくない。
フライクと協働でシステムを導入することで「成功率100%」を目指す

この熱い想いの裏側をしっかりとお伝えしたいと思います。

「システム研究」って具体的に何をやっているのか? 

私たちフライクでは、就業時間の10%の時間を使って、システム研究開発をしております。具体的にはシステム連携組立図のアップデートとなります。

このブログを執筆している2023年6月は、フライクのQ4(第4四半期)です。

弊社では1クオーター(3ヶ月)ごとに研究課題を1つ出して、社員一人ひとりが各自で、あるいは、研究開発チームを作って合宿を行いながら、課題解決のために取り組んでいます。

その課題案は、マネージャー陣と私が中心となり、日々の業務の中で「こんなことを実現したいね!」といったことをSlackでやり取りをしながら、「いいね!」となったものをAsanaに登録していくという流れになっています。

そしてマネージャーMTGの際、Asanaで管理されている研究開発ネタの優先順位を決め、それをチームMTGでメンバーにシェア。そして、「誰が取り組むか?」を挙手制で決定しております。

その後、担当になったFlykers(フライカーズ:フライクの社員たち)は決められた研究課題に対し、自分自身でマイルストーンの策定、タスクへの分解、スケジュール管理を行っていきます。

つまり、担当者からすると、自社である「フライク社に対してプロジェクトを進行している」ことになります。こうすることで、若手社員をプロジェクトマネージャーとして育成しております。

失敗はない、成功するまでやり続ける 

「失敗したITツールってないのですか?」
「たくさんのITツールを使うのって無駄ではありませんか?」

といった質問を受けることがあります。

どちらの問いにも、

「はい、失敗も機能重複もあります」

とお答えしています。

えぇー!?と思われるかもしれませんが、はじめから成功するなんてありえません(笑)

ただ、わたしたちフライクにとって、その失敗がコンテンツであり、ビジネスに繋げられるから失敗ではないのです。

では、

どんな失敗があるのか?
どんな重複があるのか?

について詳細をお話します。

まずは、これまでフライクが自社導入で実験してみた重複機能のITツールはこちら。 

次に、自社での導入実験の結果、どのような想いで現在のツール郡にしたのかを解説いたします。

1. 研究開発:プロジェクト管理ツール Asana VS Backlog 

<プロジェクト管理ツール Asana VS Backlog 

プロジェクト管理やタスク管理をするITツールですが、どちらも一長一短あるシステムです。

フライクでの必須機能は

Salesforce商談の各フェーズの隙間に発生するタスク管理
商談受注後にSalesforce見積明細から自動生成されるプロジェクトにおける「マイルストーン」と細かい「タスク」を管理

の2つです。

そして、将来的にその情報をクライアントに開示することを想定しております。

そこで、AsanaとBacklogの両方を使ってみたのですが、Asanaのほうが画面の見栄え、操作性が良いということで、フライクでは利用しております。

値段はBacklogの方が安いのですが、毎日使うものなので、好みのUIの方が継続して使用できます。

2. クラウド会計ソフト: freee VS MoneyFoward 

<クラウド会計ソフト freee VS MoneyFoward>

クラウド会計ソフトといえばfreeeとMoneyFowardの二大巨頭ですが、まったく考え方が違います。

その中でもフライクが重要視しているのは「売掛登録」「買掛請求書の受領の連動性」「入金・振込状況を経理以外も把握する」です。

残念ながらMoneyForwardでは、APIが開放されているのがMoneyForwardクラウド請求書となっており、会計や債権債務管理と連動するためには、MoneyForwardクラウド請求書を使うことが必須となります。さらに安いプランだとAPIコール数が少なすぎるため、freeeを利用しております。

「APIを駆使してクラウドSaaSを利用したERPを創る」という信条を持っているフライクでは、freee一択でした。

その結果、

売掛登録:Salesforce⇒freee会計
買掛請求書の受領の連動性:BillOne⇒freee会計
入金・振込状況を経理外も把握:freee会計⇒Salesforce

を実現しております。

3. Web会議自動書き起こし:amptalk VS Miitel 

<Web会議自動書き起こし:amptalk VS Miitel>

インサイドセールスやプロジェクト中のオンライン会議が広がった2021年〜2022年に急激にユーザを増やしているamptalkとMiitel。

どちらのツールもフライクでは利用した実績があるのですが、前提となるのはWeb会議は「Zoom」、社員のケータイは(*注1)BYODとして「ZoomPhone」を利用するということです。

(※注1)BYOD:BYOD(Bring Your Own Device)とは、個人が私物として所有しているパソコンやスマートフォンを業務で使う利用形態を指します。

MiitelはZoomやZoomPhoneとの連携はなく、自社サービスでそれらと同等の機能を用いて、Web会議を書き起こすという発想です。amptalkはZoomやGoogleハングアウト、Teamsと連携してWEBで会議を書き起こすという発想です。

前述のように、餅は餅屋でツールの良いところを使いながら、「APIでシステムを連携させてクラウドERPを創り上げる」という信条をもっているフライクでは、amptalkの方が合っていると判断し、利用を続けています。

4. 社内システム:Salesforce VS Notion 

<社内システム:Salesforce VS Notion>

Notionはメモやタスク管理、ドキュメント管理、データベースなど、仕事で使うさまざまなツールを1つにまとめた「オールインワンワークスペース」と言われるアプリケーションです。Kintoneとはまた違った世界観で、非常に仕事の業務に便利な機能を簡単に作成できるという点では非常に有益なツールです。

フライクではSalesforceを中心にビジネスを組み立てていますが、流行しているツールを知らないと「システム組立屋」と自信を持って言えないため、使ってみました。まさにシステムの実験台です。

結果分かったことは、

中小企業で、初めて使用するITツールとしては最適
誰でも簡単に必要なアプリケーションが作れる
権限設定が弱く、誰でもデータベースをいじることができるため、中堅・大企業向けではない。

機能的にはすぐれているNotionですが、セキュリティ面や複雑なシステム対応など、フライクはSalesforceとの方が相性が良いと判断し、利用し続けています。

 

【永久保存版】salesforce利活用チェックシート 資料ダウンロード

5. 議事録:Quip VS BoxNote 

<議事録:Quip VS BoxNote>

2022年まではBoxNoteで議事録を取っておりました。BoxNoteはBoxの機能の一つとして利用でき、「無償」で利用ができるため、特に違和感なく使っていたのですが、下記問題が発生しました。

■課題

1クライアント1BoxNoteで議事録を取っており、過去の履歴を探すのが大変
議事録作成後、Salesforceの活動履歴更新、Slackへの情報共有で二重・三重入力が発生

そこで、Salesforceのファミリー商品でもあるQuipに変更して以下の運用を実現しております。

■Quip導入後の運用

1クライアント複数Quipで議事録を取り、まとめQuipを作成することでわかり易く表示
Quipの画面上でSalesforceの項目更新、活動履歴への更新&Slackへの自動通知を実現

自社の課題を解決するためにITツールを探し、一つのITツールだけではなく複数のシステムを連携させることで課題を解決した社内事例となります。

経験をアウトプットすることで、同業他社に情報を搾取されないのか? 

「ブログやYoutubeで多くの情報を共有しているけど、同業他社に情報搾取されないのですか?」

と、心配いただき質問されることがあります。

結論からお伝えすると、

「自分たちの売上だけを考えると搾取されるリスクがありますが、世の中のシステム導入成功率が1%でも上がるのであれば、まったく問題ないです。むしろ、我々の想いに共感してくれる同業他社が全国津々浦々にいらっしゃることがベストです!」

と、お答えしています。

青臭いと思われるかもしれませんが、本心です。

我々が持っている情報を隠せば、それを知っていただくエンドユーザである企業が情報を知るきっかけがなくなってしまいます。だからこそ、情報流出を怖がらず、アウトプットしております。

まとめ:フライクの野望 

いかがでしたでしょうか?

フライクがシステム研究開発をし続けている理由や、実際にどのようなことをやっているかについてお話をしてきました。

最後に、フライクの野望をお伝えすると

私たちフライクが、未来永劫サービスを提供しつづけることはできません。また、多くの従業員を抱える企業すべてのシステムに関与することもできません。

だからこそ、研究と情報発信をしつづけることで、一社でも多くの企業がシステム導入に成功し、「描いた未来、一直線。」を実現できる。そのために、フライクが少しでも関与できるよう努力をしつづけたいと思います。

株式会社フライク 代表取締役 大瀧 龍

自己紹介
大瀧 龍 株式会社フライク 代表取締役

福岡県福岡市出身。富士通グループ会社のシステムエンジニアや営業支援などを経て、2017年にfreee株式会社に参画。九州支社長と広島営業所長を兼任し、2019年には西日本の責任者としてマザーズ上場に貢献する。同年2019年に「3rdコンサルティング株式会社」を創業。システムを活用した中小企業の経営課題解決やIT化、DX化支援に取り組む。システムエンジニアや営業として現場で培った経験を生かして、フロントオフィスとバックオフィスの両方をカバーし、システム設計・開発から運用提供まで一括して提案できるコンサルティングを追求。

2021年11月に社名を「株式会社フライク」に変更し、新たなスタートを切る。IT普及を目指すコミュニティ「ふくおかクラウドCafe」や、YouTube「システム組立ちゃんねる」なども運営し、地方企業のIT化推進に日々努めている。

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