freeeとマネーフォワードの比較:フライクがfreeeを選んだ理由

freeeとマネーフォワードの比較:フライクがfreeeを選んだ理由

経理DXを進めるうえで、最適な会計ソフトを選ぶことはとても重要です。

freeeとマネーフォワードは、どちらも多くの企業で採用されている代表的なクラウド会計サービスですが、それぞれが持つ特性や拡張性、そして自社の業務フローへの適合性には大きな違いがあります。

今回は、freeeとマネーフォワードの特性を比較しながら、私たちフライクがfreeeを選んだ理由を具体的にお伝えします。

さらにSalesforceとの連携という観点から、マネーフォワードの利用時に気をつけるポイントまで掘り下げていきます。

「どちらが自社にとって最適か?」を考えるヒントにしてください。

freee・マネーフォワードの特性と自社業務への適合性

ここでは、freeeとマネーフォワードの「設計思想・経営分析の観点」と「API・連携性の観点」、さらに「どんな企業・どんな経理組織に向いているか」を整理しながら、自社業務への適合性を考えます。

設計思想・経営分析の観点

【freeeの設計思想】

「入力を極力なくすこと」を目指し、業務全体の効率化を重視

操作は直感的で、会計知識がなくても使いやすいのが特長

タグや部門別レポートを活用することで、数字をリアルタイムに経営判断に活かす体制が整えられる

 

【マネーフォワードの設計思想】

正確性を第一に、堅牢な経理管理を実現する

会計だけでなく、給与計算や請求書作成などの多機能なバックオフィス機能をオールインワンで提供

すでに確立された経理フローを持つ企業や、詳細な経営レポートを必要とする組織に最適

参考元:

【2024年最新】クラウド会計のfreeeとマネーフォワード、どちらが良いの?徹底比較&選び方を解説します!
https://www.brothership.co.jp/freee/column/003/

会計システムにおけるアカウントアグリゲーションとAPI連携のメリットとは?

https://biz.moneyforward.com/erp/basic/3724/

API・連携性の観点

会計業務の効率化・自動化を考える際、APIの柔軟性と他システムとの連携性は非常に重要なポイントです。freeeとマネーフォワードでは、このAPI・連携性の面でも特性が大きく異なります。

【freee】

APIドキュメントが整備されており、外部システムとの柔軟なデータ連携が可能

Salesforceとの連携においては、リアルタイムにデータ連携を実現 例えば、Salesforce上で見積や請求データが更新された際、freee会計にも即座に仕訳が連携され、二重入力やヒューマンエラーを防げます。また「取引先・品目・部門・メモタグ」などの詳細項目も扱えるため、企業ごとに異なる管理ニーズに応じて柔軟なカスタマイズが可能です。

IT部門や情報システム部門と連携しながら、業務フローに合わせた高度な自動化を追求

参考文献:

○会計APIリファレンス-freee Developers Community –
https://developer.freee.co.jp/reference/accounting/reference
○クラウド会計ソフト freee の APIの使い方 – Zenn
https://zenn.dev/tfutada/articles/926992e1bb8220

 

【マネーフォワード】

APIのカスタマイズ性や拡張性に限界
連携先の仕様が変わるたびに対応が必要となるため、開発リソースの確保やAPI設定の専門知  識が求められます。また、Salesforceなど外部システムとの高度な統合を想定する場合は、freeeより手間がかかることも多いです。

そのため、標準機能内での運用を優先したい企業や、経理部門だけで完結する運用スタイルに向いているといえるでしょう。

【参考文献】

マネーフォワード クラウド会計Plus WebAPI 連携設定
https://biz.moneyforward.com/support/receivable-management/guide/16992810297497.html
○マネーフォワードのAPI連携とは?方法、メリット、デメリットなどを紹介 – 株式会社ReaLight
https://realight.co.jp/blog/19_moneyforward-api

どんな企業・経理組織に向いているか

freee

スタートアップやIPOを目指す成長企業
 - スピード感を持って数字を整え、投資家や金融機関への説明責任を果たす必要がある企業に適しています。

原始証憑(請求書・領収書など)の管理を徹底したい企業
 - 原始証憑までしっかり保管・確認できる仕組みを備えており、証憑管理を重視する企業に適しています。

ITに強く、柔軟な拡張性を重視する企業
 - freeeのAPIの柔軟性は、システムを自由に組み合わせ、業務や成長フェーズに合わせて柔軟に進化させたい企業にとって大きな魅力です。

マネーフォワード

すでに確立された経理部門があり、正確な経理管理を第一に考えたい中堅〜大手企業
 - 従来の会計ソフトに近い操作性を持ち、正確な経理管理を重視する企業に適しています。

会計業務だけでなく、給与計算・経費精算など幅広いバックオフィス業務を一元化したい企業
 - 給与計算や経費精算などの機能を統合的に提供しており、バックオフィス業務の一元化を目指す企業に適しています。

システム拡張よりも、まずは「正確性・法令順守・安定した運用」を優先する組織文化の企業
 - 正確性や法令順守を重視し、安定した運用を求める企業文化に適しています。

参考文献

 

【永久保存版】salesforce利活用チェックシート 資料ダウンロード

フライクがfreeeを採用した理由

理由①:APIの柔軟性・拡張性とSalesforceとの連携のしやすさ

freeeのAPIは、非常に柔軟かつ拡張性に優れており、取引先・品目・部門・メモタグなどの詳細データまで扱えます。

APIドキュメントも非常に充実しており、SalesforceやBoxなど、他のクラウドサービスとスムーズにデータ連携できる環境が整っています。

この自由度の高さは、部門別や案件別の数字を細かく管理し、精緻な経営管理を目指すフライクにとって大きなアドバンテージとなりました。

さらに、フライクはSalesforceを中心に営業・顧客管理を行っています。

freeeはSalesforceとAPIを介したリアルタイム連携が可能なため、見積・請求・売上仕訳・入金までの一連の経理業務を一気通貫で自動化できます。

この仕組みにより、営業や現場の情報と経理データがシームレスにつながり、営業・経理の二重管理の解消や、経営管理のスピードアップを実現できたのです。

理由②:ビジネスに興味を持つ経理人材の採用・育成

フライクでは、経理を単なる「会計を締める担当」ではなく、利益を残し、投資判断を支え、未来の成長を形にする役割と位置づけ、「バックオフィス業務」ではなく「経営管理の中核を担う存在」だと考えています。

しかし、会計やバックオフィス業務に詳しく、さらにIT・コンサルティングのスピード感のある環境で働きたい人材を見つけるのは、非常に難しい課題です。

だからこそフライクでは、「簿記・仕訳・会計の知識」よりも「ビジネス全体に興味を持つ人材」を採用・育成できる仕組みを重視してきました。

フライクが目指す経理のペルソナ像は、次のような特性を持つ人材です。

  • 「数字を読む力」と「ビジネス視点」をあわせ持つ
  • 営業や現場の動きを理解し、数字で語る力を持つ
  • 将来の成長に向けて、数字をもとに提案する力を持つ

freeeは、こうした経理像を実現するうえで非常に重要な役割を果たします。

直感的な操作性と強力な自動化機能により、経理担当者の負担を大幅に減らし、数字をリアルタイムで可視化できる仕組みを提供します。

これにより経理担当者は日々の作業に追われるのではなく、「数字を活かし、経営にどう貢献するか」という視点で活躍できる体制が整います。

つまり、freeeの柔軟性や拡張性は、フライクが目指す「会計の正確性を守りながら、ビジネス全体を支える経理組織」を築くうえで、非常に重要な武器となったのです。

理由③:クライアントのペルソナに合致

フライクのクライアントペルソナは、freeeの思想にフィットすると考えております。

①組織全体の最適化を目指す

freeeは、会計や経理の自動化・効率化にとどまらず、営業や現場部門と経理のデータをつなげ、全社で数字を活かす仕組みを実現します。

だからこそ、freeeを導入するクライアントは、バックオフィスだけの改善にとどまらず、「組織全体を最適化する」視点で取り組む姿勢を持っています。

②変化をためらわない柔軟な姿勢

目先の業務効率化だけでなく、利益を確保し、さらに未来の利益を生み出すためには、業務やシステムの変化もためらわない柔軟性が必要不可欠だと考えます。

freeeは、従来の会計ツールとは180度考え方が異なります

仕訳入力を前提にしない「取引登録」や、振替伝票を使わない仕組みなど、これまでの経理の常識だと一見理解が難しいと感じる場面も出てくるでしょう。

しかし、こうした新しい仕組みを「面倒だ」と捉えるのではなく、むしろ業務の根本から見直すチャンスと捉え、積極的に挑戦し続ける企業風土を持つクライアントこそ、freeeの柔軟性・拡張性を最大限に活かせるのです。

③挑戦し続ける企業風土

私たちフライク自身も、業務や仕組みを柔軟に変化させ、挑戦を恐れない文化を大切にしてきました。

freeeは、そんな私たちの価値観に合致し、同じ価値観を持つクライアントを支援するうえでも不可欠な存在です。

だからこそ、freeeは「挑戦し続ける企業風土」を持つクライアントにこそ最適なツールであり、私たちが選ぶ理由となっているのです。

理由④:経営管理の戦略基盤となる

フライクはスタートアップとして成長する中で、「数字を整えること」は経営管理の基盤だと考えてきました。

しかし、数字を整えること自体はあくまでプロセスに過ぎないとも考えています。

本当に重要なのは、その数字をどう経営管理に活かし、利益を残し、未来の投資判断に結びつけるかです。

freeeは、API連携の柔軟性とSalesforceとの高い親和性を兼ね備えており、「作業から戦略へ」というフライクの経理像にぴったり合致しました。

freeeを選んだのは、単に仕訳を減らすためでも、作業を効率化するためだけでもありません。

私たちが経営管理に何を求めるかを問い直し、数字を未来への投資につなげる基盤を作るための選択でした。

こうして私たちはfreeeを選択し、数字の鮮度と信頼性を担保しながら、経理業務を経営管理の中核へと進化させる道を進んでいます。

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Salesforce×マネーフォワード連携時の注意点

マネーフォワードとSalesforceの連携は可能ですが、freeeと比較するといくつかの制約や注意点が存在します。

API連携の範囲と制約

マネーフォワードが提供するAPIは主に「クラウド請求書」サービスに限定されており、「クラウド会計」サービスのAPIは一般公開されていません。

運用上の課題

Salesforceとマネーフォワードを連携させた場合、業務効率化の範囲は基本的に「Salesforceにある請求書データをマネーフォワードクラウド請求書に連携する部分」に限定されます。

つまり、Salesforceで作成した請求書データを、マネーフォワードクラウド請求書に送信すること自体は可能です。

しかし、その後の業務、例えば請求書の送付業務や入金の消し込み、会計処理については、別のマネーフォワードファミリー製品を活用しなければなりません。

まとめ

freeeとマネーフォワードはそれぞれ設計思想・経営分析の観点API・連携性の観点で異なる特徴を持っています。

フライクがfreeeを選択した理由をまとめると、

「作業から戦略へ」というフライクの経理像に合致
▶「ビジネス全体に興味を持つ人材を育てる」環境に最適 
▶「挑戦を恐れず組織全体を最適化する」フライクのクライアントペルソナと一致

つまり、

freeeは、フライクの「経営管理を支える基盤」となるからです。

フライクは単なるシステム導入に終わらず、あなたと伴走しながら経営管理の未来について考えます。

初回のご相談は無料。
どんなことでも気になることがあれば、どうぞお気軽にお問合せください。

自己紹介
大瀧 龍 株式会社フライク 代表取締役

福岡県福岡市出身。富士通グループ会社のシステムエンジニアや営業支援などを経て、2017年にfreee株式会社に参画。九州支社長と広島営業所長を兼任し、2019年には西日本の責任者としてマザーズ上場に貢献する。同年2019年に「3rdコンサルティング株式会社」を創業。システムを活用した中小企業の経営課題解決やIT化、DX化支援に取り組む。システムエンジニアや営業として現場で培った経験を生かして、フロントオフィスとバックオフィスの両方をカバーし、システム設計・開発から運用提供まで一括して提案できるコンサルティングを追求。

2021年11月に社名を「株式会社フライク」に変更し、新たなスタートを切る。IT普及を目指すコミュニティ「ふくおかクラウドCafe」や、YouTube「システム組立ちゃんねる」なども運営し、地方企業のIT化推進に日々努めている。

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