
こんにちは!フライク採用広報チームです!
今回は、「フライク創業ストーリー」の第二弾として、「システムベンダーという業界の歪さ」というテーマで代表取締役の大瀧にインタビューを行いました。
昨今のシステムベンダー業界のディープな事情まで語ってもらいました。ぜひご覧ください。

フライクの立ち上げに至る道筋
—まず、前回のインタビューではフライクを創業するきっかけについて伺いましたが、おさらいとしてこれまでの大瀧さんの経歴を簡単にお話しください。
大瀧:まず、私のこれまでの前職のキャリアをおさらいすると、富士通、Salesforceの代理店、そしてfreeeとなるのですが、当時それぞれの会社でお客様に対しては「こういうツールを入れましょう」というお話をする一方で、社内でITツールを使いこなせていたかというと「NO」なんですね。
自分たちは手作業で仕事をしたり、二重入力があったりしている中、お客様には「それ無駄ですよね」「なのでこのツールを入れましょう」と提案しなければいけない。
さらに言うと、freeeやSalesforceやBoxといった単体のツールを提案したところで、部分最適にしかならず結局そこまで変わらない。「だけど自分たちが提案できるのはこのシステムだけだから仕方ないよね」という「歪さ」を、私はどうしても呑み込めなかったんです。
なので、2019年1月4日に開業届を出して、個人事業主として前回のインタビューでもお話しした「ふくおかクラウドCafe」で、私の考えをもとに「こういうITツールがあるから作り出したらいいよ」みたいなのを無料で提供していました。
そういったことを2019年1月から月に1度開催していて、4月になったタイミングで、とある方から「だったらうちの環境のSalesforceとか一緒に手伝ってよ」と声をかけてもらったんです。
そのタイミングで前回のインタビューでもお話ししたように「何のために働いてるんだっけ」「自分の時間を売ってるだけで、全然幸せじゃないな」と思い、「freeeでやることも終わったし辞めようか。じゃあ転職しよう!」と思って就職先を探しました。
ただ、どこを探してもITシステムの業務設計や全体設計をやれるところがなくて、「じゃあ自分で作るか」と、会社を起こしました。
「freeeとSalesforceは一緒に売るな」制約の多さとジレンマ
—freee時代には「freeeとSalesforceを一緒に売るな」と言われたというエピソードもありましたね。
大瀧:ありましたね。2018年ごろに「freee社がSalesforceを売ってくれるな」という話があったんですね。
前回のインタビューでも少しお話ししましたが、もう少し詳細にお話すると、それまではfreeeをBoxとかSalesforceとか別のツールと抱き合わせて売っていいよという風になっていたんです。私の数字にはならないけど、Salesforceさんにはfreee経由の案件ということで表彰される対象にはなっていました。
しかし、CHROにあたる人に「その売り方はもうやめろ」と言われたんですね。「なぜ」と聞いたら、「freeeは今から上場に向けて加速するから、仮にSalesforceが炎上したらfreeeも一緒に炎上してしまって、解約になるからやめろ」ということだったんです。
—よほどのことでないかぎり自社製品以外を売ってはならないというのはかなりの制約ですよね。
大瀧:そうですね。あと制約の話でいうと、実はfreeeを受ける前のタイミング——Salesforceの代理店から転職する際に、もともと私はSalesforce社を転職先に選ぼうとしていたんですね。
すると、Salesforceの代理店時代の社長から、うちの会社からSalesforceに転職するのはご法度だと言われてしまい、Salesforceの人に確認したときもそれが本当だというのがわかり、「今ストップしてるから大瀧さんのレジュメは上げられないです」と言われ、正直そのときに「もうSalesforceは捨てよう」と思っていました。
原因はどこに? システムベンダーという業界の歪さ
—多くの企業がベンダーに頼りながらSalesforceなどのツールを導入する反面「全然使いこなせていないんです」ということが多いのは、大瀧さんから見てどこに原因があると思いますか?
大瀧:そもそもベンダー側が「早く売って売上を立てないと」と思っているからでしょうね。代理店のKPI自体がライセンスの売上っていう風にやっているから、そりゃそうなるなと思っていて。
私としては、事業会社のビジネスモデルは、あえて言葉を選ばずに言うと利己的と思っていて。freeeだったらfreeeを売らないといけないというのが事業だったので、ベンダーはその制約から抜け出せない。だから私は転職して違う会社に行ったところで「どうせまた転職するんだな」という気持ちでいました。
自分が本来こうありたいと思うビジネスを実現するには、事業会社への転職も、既存のシステムベンダーへの転職も持続性のない選択肢だと思っていました。そういう意味では、フライクの創業は必然でしたね。
「自分にしかできないことってなんだっけ」となったときに、消去法で考えて「創業」しか道は残されていなかった。
—「事業会社は利己的」というお話が出ましたが、ベンダーも「売上を上げなければいけない」という結構な歪さがある中、フライクはその「歪さ」の中でどのようなことをやろうとしているのでしょう?
大瀧:私はお客様に対して「良いものは良い」「悪いものは悪い」とフラットに言っていいと思っています。ITベンダーという観点であれば、私としてはBoxのやり方が一番好きで、パートナービジネスオンリーなんですよ。直販で契約することができない。
例えば、Box Japanが見つけたリードに対しては、資本が入っている一次店に紹介をしてそこが売るというビジネスモデルなんですね。そういった一次店って色々なサービスを提案できるから、そういった判断もできる。
なので、私としてはきちんとお客様と向き合ってツールを売るのであれば代理店は代理店の判断でやればいいと思っています。反面、やはりKPIがライセンスの売上になっているという点は問題だと思っているので、フライクは極力パートナーにならずにフラットな立場でい続けています。

自分たちがいいと思ったITツールをしっかり提案するためにも、きちんとお客様のビジネスを知ったり、業務の流れを知ったり。あとは、どんな人が働いているかによって選ぶべきITツールが変わってくるので、それを自分たちの利益のために言うのではなく、お客様が本当にそこに向き合うかどうか。忖度なしに伝えていきたい。
今はフライクは業務設計システム設計をした後でないとITツールの提案をしないというビジネスになっています。
—大瀧さんとしては代理店のやり方はそれはそれでありということですが、フライクが行っているようなお客様に寄り添うやり方が業界全体にも浸透してほしいという思いはありますか?
大瀧:あります。ありますが、まあ難しいですよね。まず収益という観点で言うと、会社ってキャッシュがないと潰れるんですね。うちの会社が潰れる可能性だってゼロじゃない。仮に5年後にフライクが潰れていたら、大瀧の考え方は理想郷であって現実には回らないビジネスモデルだっていうレッテルを貼られるわけなんですよ。
なので、システム開発ベンダーがベースを作るためにITツールを販売する。ビジネスを作っていくのは正しいやり方だし、経営者としてはそれが正しい。それが当たり前になるのは仕方ないと思っています。
ただ、私やフライクはそのやり方をしたくないから、自社プロダクトを作る。自社プロダクトはITツールを導入する前の「問い」をちゃんと正しく設定できるようなITツールを作るので、「誰も不幸せにしないようなITツールを作りたい」という思いを持って実行する、という感じですね。
—業界全体を変えたいというより、「フライクはフライクのやり方をする」というようなスタンスでいると。
大瀧:そうですね。Youtubeやブログなどでも発信していっているので、やり方を真似していただくのは全然良いと思っています。
「システム連携組立図」は弊社が商標をとっているわけでもないですし、業務設計やシステム設計のやり方も私が一から考えたわけではなく、富士通にSDEMというモデルが昔からあり、そのやり方を忠実に実践しているだけです。
ただし、それをやるためには自社のリードをしっかり獲得しなければならないし、お客様もそのやり方に賛同しないと受注できないので、経営をしていくという観点においては、このビジネスモデルはリードを獲得するためのマーケをしっかり考えないといけないですし、全ての企業様が真似できるかというと難しいかもしれません。
キャリアの掛け算がいかにできるか〜シニアに求められる本当の“スキル”〜
—大瀧さん個人としては、ベンダービジネスの“歪さ”は、業界で働いている人たちにどのような影響を与えていると思いますか?
大瀧:まず日本って、永遠に発展していけるかと言ったらそうではないと思っていて。発展していく企業があれば倒産していく企業もあるし、企業数はアッパーを迎えると思うんですね。
なので、ひとつのITツール——例えばSalesforceだったらCRM・SFAだけでなく、MAやAIといった色々なITツールが発展していくから、ひとつの企業に対して第一のサービス、第二のサービス…というサービスの形態を取る。担当者も年に一度変わる。
ベンダーで働くこのことを個人のキャリアという観点で見ると実はかなり深刻なことが起こっていて。自分の営業としての提案力が伸びたとか、コンサルティングスキルが向上したとか、自分がいかに努力して成長しようが年収アップや評価に繋がらないんですよ。
どれだけいいITツールを自社が取り扱っているかとか、どれだけ大きな予算を持っているお客さんの担当になれるかとかそういうことでしか年収や評価が上がっていかない。
その環境にいたら、提案スキルを磨くとか自己成長の努力をするよりツールの使い方を勉強していかにスムーズにデモができるかとかそういうことにばかり時間を費やす事になってしまいますよね。
そういう業界で一生懸命最新のツールのキャッチアップをして社会人人生を過ごしてきて、50~60歳になったタイミングで突然「マネージメントができないんですか。じゃあうちでは採用できませんね。」と行き先がなくなってしまう。ジリ貧キャリアまっしぐらですよね。
—やはり30、40代のタイミングでシフトチェンジしないとキャリア的に厳しいのでしょうか。
大瀧:私はそう思います。なのでコンサルの方に足を踏み出す人もいますが、「物だけ売れているコンサル」は正直使い物にならない。経営者の考え方は「人・物・金・情報」の四つなので、例えば人のことについてちゃんと分かっている人、お金の流れを分かっている人というような観点で言うと、ITツールを売れるからといって経営者にはなれないと思います。
もちろん「売る」ということも大切なことではあるのですが、その後誰をビジネスに巻き込むかとか、どういう風にキャッシュを作っていくかとか。次は何に投資するかというのを考えないといけないので、営業で物を売るだけであれば、多分その営業のキャリアも上限を迎えるだろうなとは思います。
—キャリアの話で言うと、ここ数年Salesforceが行っているPathfinderなど人材育成プログラムが話題になっていると思うのですが、大瀧さんとしてはそういったものをどのように見ていますか?
大瀧:私としてはPathfinderを受ける人がどういうつもりで受けているかというのが気になるものの、50代までIT業界にいなかった人が急にPathfinderを受けて、IT業界のエース級になれるかというと、おそらくなれないでしょう。
ゼロからイチを生み出すのに40、50代で何かをするのは不可能だと私は考えています。刺々しい言い方になりますが、私は40、50代はキャリアの掛け算をしなければ意味がないと思っていて。
例えば経理や事務といったようなずっと違う畑にいた人が、ITのスキルを掛け算することによってより自分のバリューが指数関数的にあがっていく。だからPathfinderを受けるというマインドであるならば、どこの企業からも重宝される。
ですが、何もできないのにアドミンしかできない。ましてやコーディングなんてやったことないですという人が企業側から必要とされるとは思えないんですね。
私自身「自分のキャリアに掛け算をするためにPathfinderを受けよう」という人にまだ出会えていないのでなんとも言えませんが、今までのキャリアを全部捨ててSalesforceのアドミンになるためにPathfinderを受けます!という人は多いだろうなという印象は正直あります。
これまでフライクにもPathfinder出身の方が応募して、何人か面談をしてきましたが、自分の経歴のことを誇りに思っていないなという所感です。「これまで事務しかしてこなかったので、Salesforceに一発逆転を賭けています」というような…

私からしたら「いやそれまでに絶対何か良いものがあっただろう」と思いますし、40、50代のシニアを採用したくなる理由ってやはりそれまでの経験値によるものなので、逆に今までのキャリアに掛け算できないのであれば、シニアではなく20代の若手を採用した方がいいと考えてしまいますね。
—これも「歪さ」の話に関連してくるのかもしませんが、現状のPathfinder制度って、まっさらな所から入るよりも大瀧さんがおっしゃるように何かキャリアに対して掛け算ができないかぎり、修了しても転職先が見つからないというのはあるかもしれませんね。
大瀧:「アドミンしかできない」「Salesforceしか知らない」人を企業がわざわざ採用するかとなると、まずフライクは採用しない。じゃあ採用する企業はどういうところかというと、派遣ビジネスをやっているとか人売りしているところなんですよね。
それが実態としてわかったタイミングで、果たしてそのビジネスって入り込みたいかという話になってくる。なので、正直なところ本当にPathfinderがいい制度なのかなっていうのは、私としてはいささか疑問ではあります。
私たちフライクも、第4とか第5ぐらいまでは一応協賛の企業として名前を出してはいたのですが、未経験かつSalesforceのアドミニストレーターを持っているだけの40、50代の人をわざわざ年収の20〜30%出して採用するかというと、する必要がなさすぎる。
立ち上げ当初の理念としては、ダイヤの原石を見つけるために様々な企業が投資して制度を作ったのかもしれないけれど、実はもう破綻している可能性があるなと。
どこまで「本気」になれるのか〜フライクに必要なマインド〜
—キャリアの掛け算など、採用についての話題が出ましたが、どのようなマインドや課題意識を持っている人であればフライクに来ても活躍できると考えますか?
大瀧:マインドとしては「どのITツールでもお客様の要望って変えられないな」と気づいた人でしょうか。
このお話をする前に「まずフライクのどのピースに当てはまるか」というところから考えたときに、「コーディングしか興味ない人」は正社員ではなく業務委託やSESとして契約するので、まずポジションとして空いていない。
一方で、昨今AIが台頭していく中で、「自分のコーディングのスキルが無意味なものになってしまうかもしれない、でもお客様のビジネスには寄与したい。だから自分は上流コンサルタントになりたい」といったようなビジョンを持っている人は、現在採用はしています。ただし、必ず活躍できるかは約束できません。中には自分の年収が下がることが怖いからそう言っているだけという人もいるので。
これまでも何人か2、3ヶ月で「思った以上に厳しかった」という理由で辞めた人もいますが、それはそれでいいと考えています。お客様に厳しいことを言う立場の我々が、社内が甘いというのはありえないと思っているので。
「年収を上げたい」が理由だったとしても「自分のスキルも一緒に上げたい」「本気になりたい」という人は活躍できていますからね。
フライクのエンジニアは、ただコーディングをすればいい人たちではなく、その先——お客様のビジネスを発展させるために、どんな機能がいるかっていうところまで視座の高い話にも加われるようでないと、フライクには入れないですね。
そういった自分の目標を高く設定できて、それを「本気でやる」と考えている人は大歓迎ですので、まずは応募いただけたらと思います。