こんにちは、システム組立ちゃんねるを運営している、株式会社フライクの大瀧です。
私たちフライクは、2022年8月に創業4期目を迎えましたが、同年10月時点で30ものITツールを使ってシステムを組み立てております。
具体的には、セールスフォースを中心として業務領域(HR領域、マーケティング領域、セールス領域、プロダクト・エンジニア領域、バックオフィス領域)ごとに複数ITツールを組み立てました。
私たちフライク以外にも、このように複数のITツールを組み立てて業務に活用している企業はたくさんあるでしょう。
しかし、多くの企業にありがちなのは、システムが業務の一部の課題を解決する「部分最適」になることです。
業務の一部だけを解決するツールが複数集まることで、管理や連携に関する課題が発生します。
さらに、近年のITツール/SaaSツールの多くはサブスクリプション形式の料金形態です。
固定費が膨れ上がってしまうことは経営陣の悩みのタネの一つです。
それでは、私たちフライクは30ものITツールをどのように使っているのでしょうか?
今回の記事でシステム連携のコツを少しでも多くの方に知っていただき、以下のことを実現していただきたいと考えております。
このブログでは私たちフライクでのシステム組立連携図の中で、Boxに着眼してお話ししたいと思います。
目次
私たちフライクは30のITツールを使用しています。そして、売上高に対して約10%もの金額をITツールやITシステムの研究開発に投下しております。
下記のようなシステム連携を行い、日々業務×システムを進化させながら業務を進めています。
中でも、「Box」はなくてはらないツールです。
大まかにいうと、セールスフォースには構造化されたデータを保存し、Boxには非構造化データを格納しています。
セールスフォースを中心としたシステム組立連携図をBox中心に組み替えると、このような形になります。
Boxの利用用途は、大きく分けて以下の3つです。
① 格納先(ストレージ)としての利用
② コラボレーション(共有リンク)としての利用
③ 双方向連携での利用
これらの機能は社内だけでなく、外部パートナーにもライセンスを発行し、利用していただいています。
「他社へライセンスを発行すると、追加費用がかかるのではないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、こちらのブログの特徴4に記載したように、BoxはBusinessPlusプラン・Enterpriseプランであれば、Boxユーザでない方を招待しても追加課金は不要です。
このように、Boxを利活用することで社内効率化にとどまらず、フライクに関わる全ての関係者との生産性を向上させられるのです。
それでは、具体的にどのようなシステム連携を行っているのかを解説していきます。
この章では大きく3つの領域での利用方法についてご紹介いたします。
① マーケティング領域での利活用
② セールス領域での利活用
③ バックオフィス領域での利活用
マーケティング領域におけるBox×Hubspotの連携は、システム組立図の中でいうと下図でハイライトした部分です。
具体的にご説明するために、業務フローから紐解いていきます。
私たちフライクではインサイドセールスといった未契約顧客にお電話する営業活動は行っておらず、「インバウンドのみ」で営業を行っております。
つまり、フライクの営業活動は未契約顧客(リード)からのアプローチのみになります。
そのため、私たちはまずフライクの認知活動に注力をしています。
具体的にはTwitterとYouTubeの2つです。
例えばYouTubeの「システム組立ちゃんねる」には動画を定期的にアップしています。
それを見てフライクに興味を持ってくださった方が、フライクのホームページに遊びに来てくれます。
ホームページを閲覧してくださった方の着地点は以下の3つです。
① ブログを見る
② ホワイトペーパーをダウンロードする
③ 問い合わせをする
このうち②の「ホワイトペーパーをダウンロードする」に関しては、Box×Hubspotの連携が大いに役立っております。
多くのWeb制作会社はホームページのCMS(Contents Management System)にホワイトペーパーやe-bookを格納する傾向にあります。
しかし、これらをCMSに格納すると以下のような弊害が生じます。
① ウェブにアップロードする作業を意識する必要がある
② バージョン管理が必要
フライクではBoxとHubspotを連携させることにより、以下を実現しております。
① ダウンロード状況や閲覧数を把握
② e-bookやホワイトペーパーなどのPDFバージョン管理
これにより、資料が作りっぱなしになってしまう、誰が最新のデータを持っているか分からないとった課題を解決できます。またこれらを解決できないと、検索するための時間がかかってしまい、本来のマーケティング活動に支障をきたしてしまいます。
次に、セールス領域での利活用について紹介します。
まずは業務フローから考えます。
未契約のお客さまとの初回面談は100%オンラインで行っております。
初回面談資料を提示し、打合せ終了後には参考資料を送付しています。
これらの資料の格納先は各企業ごとのBoxフォルダです。
また、打ち合わせの内容や結果はセールスフォースの商談や活動履歴に記載をしています。
見積を提示する際は、まずセールスフォースで見積書を作成します。見積書のPDFファイルはセールスフォースから出力され、自動的にBoxの見積書フォルダに格納されます。
さらに、格納された見積書の共有URLは自動的にセールスフォースの商談項目に反映されます。契約書と発注書もセールスフォースから作成され、それらもBoxに格納されます。
ここでセールスフォースのユーザの方は疑問に感じると思います!
「なぜ、セールスフォースのファイルストレージを使わないの?こちらを使ったら一元管理できるのでは?」と。
セールスフォースのファイルストレージではなく、Boxに格納する理由は2つです。
① セールスフォースのファイルストレージ容量が有限かつ別途オプション(有料)
② セールスフォースのライセンスを全員が保有しているわけではない
これらの理由がある一方で、Boxは共有サーバーとして利活用することを想定している企業が多いことから、Boxのユーザライセンスは社員全員が持っているケースが多く見られます。
そのため、容量無制限で社内外メンバーとのセキュアな環境でファイル保存ができるBoxを使っているのです。
ここから、Box上の顧客フォルダとセールスフォースの取引先を連携していきます。
まず、私たちフライクではAppExchangeで無償提供されているアプリは使っていません。
なぜならば、これを利用してBoxとセールスフォースが連携されても
「フォルダ構成が作成者によってバラバラ」
「雛形フォルダを準備しているが、コピーする作業が大変」
などの課題が発生するからです。
そこで、私たちフライクでは以下のような雛形フォルダをボタン一つでコピーできる機能を開発しました。
それでは、具体的に動く画面でセールスフォースから雛形フォルダを自動生成し、Box上にフォルダを作ってみましょう。
【SalesforceからBox雛形フォルダを自動生成】
▼実際の手順をGIFでご紹介▼
最後に、バックオフィス領域におけるBox連携(セールスフォース×freee)について説明します。
先ほどと同じく、業務フローで説明します。
フライクではセールスフォースの見積書データの中に「どのタイミングで請求するか」という情報を持っています。
このデータをもとに請求書のPDFファイルをセールスフォースで作成します。見積書と同様に、請求書もBoxに自動的に格納する仕組みを作っています。
そして、準備完了後セールスフォースからお客さま企業の経理担当者へ、メールで請求書PDFファイルのリンクを送付します。
送付後に、セールスフォースの活動履歴へメールの内容が転記され、freee会計の仕訳登録&債権登録が実施されます。
では、見積書格納のデモンストレーションを見ていきましょう。
【Salesforceから見積書をBox自動格納&URL転記】
▼実際の手順をGIFでご紹介▼
最後に、請求書の送付とfreee会計の原始証憑(しょうひょう)への紐付けを見ていきましょう。
【Salesforceから請求書をBox自動格納&freee会計と連携】
▼実際の手順をGIFでご紹介▼
今回は、フライクのシステム組立連携図の中でもBoxを中心としてセールスフォース、Hubspot、freee会計の連携について解説しました。
これを読んで真似をしてみたいという機能があれば幸いです。
フライクは「経営コンサルティング」と「ITツールコンサルティング」の二軸でビジネスをしています。そのため、お客さまのリクエストに応じて調査・研究開発費用を頂戴しながらIT研究を行っています。
そんな背景から「通常の企業にしては多すぎるのでは?」と思われるほどのITツールを使っています。
今回ご紹介したITツールを使い、全く同じ組み立て方で、全て同じようにやらないとセールスフォースや他のITツールを活かせないのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、その心配は全くの無用です。弊社が組み立てているセールスフォースを参考に、必要な箇所だけを真似していただければ結構です。
もし組み立てやITツール選定でお困りの場合は、弊社までご相談いただけたら幸いです。
弊社がおすすめするITツールは全て自社の業務で使用しているもの、もしくは研究投資として使い勝手や費用対効果を検証したものです。
ぜひ今回ご紹介したITツールを利用し、生産性の向上や業務改善を実現していただけたらと思います。本ブログやITツールについてのお問合せもお待ちしています。
フライクではツールの導入・初期設定だけではなく、運用方針の支援もしております。
Boxにおいては2022年10月20日に開催された「Box Customer Award Japan 2022」にて、フライク流のBox利活用方法を発表し、「ビジネス部門」において見事大賞を受賞いたしました。
詳しくは、こちらの記事でご紹介しています。
「Box Customer Award Japan 2022」ビジネス部門受賞
中堅・中小企業向けERPシステムの組み立て方〜APIを駆使してBox × 他SaaSツール連携で徹底利活用
フライクでは自社でのBox利活用の経験からも、お客さまにあった最適解をご提案させていただきます。
ですので、Boxの導入をすぐにご提案することはありません。お客様が行っている普段の業務、描いている未来をまずはヒアリング致します。
理由は、導入するだけでも比較的大きな金額が掛かりますし、そもそも活用できなければ意味がないからです。
・相談したいけど事前にシステム組立屋のサービスについてもっと知りたい
・DX推進パートナーとして具体的に何をしてくるのか…
まずは、弊社サービスのVision Road Mapプログラムの資料を無料ダウンロードいただければ幸いです。
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